2024年08月29日 19時30分
インタビュー
2024年08月29日 19時30分
インタビュー
撮影中、お花でカメラのレンズを追いかけるなどお茶目な水沢林太郎さん
――資料ではプロデューサーさんのコメントに、「神田篤史の描写に深みがもたらされたのは、水沢林太郎の芝居を見たことがきっかけ」とあります。
本当ですか!? 全然知りませんでした。うれしいです。
――神田は“究極のこじらせ男子”という設定で。
なかなかにこじらせていますね(笑)。有沢さん(見上愛さん演じる有沢唯千花)を好きなんだけど、すごくねじ曲がったような伝え方をするし、彼女の近くに同じ組の真木(宮世琉弥さん演じる真木陵悟)がいると、怒りや嫉妬や妬みを抱える。有沢さんとは同じ生徒会だけどクラスも違うし、蚊帳の外なんですよね。2人が演じているシーンを見て、僕も寂しい思いをしたし、イライラもしました。それをどうにか神田の演技に活かしたいと思って、やってきました。「深み」と言っていただいたのは、もしかしたら無意識にそれが出ていたのかもしれません。
Netflix「恋愛バトルロワイヤル」より
――劇中でも、修学旅行で2人が花火をしているのを、遠くから見つめていたり。
そういうシーンが多かったですね。基本、有沢唯千花を陰から見ている、気持ち悪い男なので(笑)。
――携帯のフォルダには、隠し撮りした唯千花の写真がいっぱい並んでいました。
そんなことばかりでクセのある役でしたけど、演じていて楽しかったです。
――そんなこじらせ男子は、すぐにイメージできました?
全然できなかったです。過去にそういう役を演じた俳優さんがいないか、調べたりもしたんですけど、見当たらなくて。今回は配信だからできる題材だと思っています。地上波では踏み込めなかったところで、自分で0から1を作らないといけない。すごく難しいところでした。プロデューサーさんや監督と時間をかけてお話しさせていただいて、トライ&エラーで撮影期間中に作れた感じです。
――メガネを掛けて、表情はあまり変わらなくて。
監督から「無表情でいい」と言われました。でも、無表情すぎても、シーンの中にいる意味がなくなる。そこをうまくできるように、気を配りました。
――歩き方とかも作り込んだんですか?
僕自身が猫背ということもあって、神田は究極の猫背かなとも思ったんです。逆にきれいに歩いたら、それはそれで気持ち悪いかなと(笑)。
――上半身がピンとして全然動かないまま、歩いていたりもしました。
何か変なところが、ちょっとでも出ればいいなと思いました。ゆっくり手を出したり、目を動かしたりしても気持ち悪いだろうな、ということは考えながら、監督と相談しました。
Netflix「恋愛バトルロワイヤル」より
――「気持ち悪い」がポイントだったわけですか。
ストーカーみたいな部分もあると思いましたし、ちょっと気持ち悪いほうが、明らかに様子がおかしいヤツに見えますから。モニターで確認すると、自分では「ここまでやった」と思っても、意外と普通に見えたりするんです。もっと大げさにやったほうがいいと監督と話して、僕は具体的な言葉があったほうが演じやすいので、「気持ち悪い」先行で全振りしてしまおうと(笑)。
――神田は小学1年生のときから、あるきっかけで出会った唯千花のことを「守らなきゃ」と思っていたということで、一途でもありますかね。
すごく一途だと思います。見上さんとは初めましてで、神田がずっと有沢さんのことを想っていた時間を自分の中でどう作るかも、悩んだところでした。現場でなるべく見上さんと接する時間を取って、たくさん話をしていたら、疑似体験になるかなと考えたりもしました。それを見上さんに気付かれないようにやるのが、意味があると思って。
――劇中でも唯千花のほうは、子どものときに神田と会っていたことを忘れていましたからね。神田が唯千花と顔が近付いてドギマギしているのも、すごくリアルに見えました。
2人のシーンを一気に撮って、見上さんと接する時間も長くなっていて。距離感は難しかったんですけど、いざ撮り出したら、本当にドキドキする瞬間がありました。「あっ、これだ」と思いながら演じていたので、リアルに見えていたならうれしいです。
――一方で、神田は母親のことがあって「恋なんて信用してない」とも言っていて。
なかなか難しい感情でした。監督が3人いらっしゃって考え方が三者三様で、その都度すり合わせていました。順撮りではなくて難しい部分もあった中で、ちゃんと神田の想いを届けなければいけないという思いはありました。
――後半には、母親に感情を爆発させるシーンもあります。
神田の感情が初めて出たシーンでした。お母さん役の矢田亜希子さんとは初めてではなくて、いろいろお話をしながら、時間をかけて撮らせていただきました。本番はあまりテイクを重ねずにできて、自分の中で悔いはありません。
――溜めに溜めていたものを吐き出す感じでしたが、ああいうシーンを撮る前は、1人で集中しているんですか?
あそこはグッと入っていたかもしれません。一歩間違えたら、ただの悪い子どもに見えてしまいますし、お母さんを100%傷付けたいわけではないので。そこはすごく難しくて、現場で1人で考える時間は結構あった気がします。
――水沢さんは落ち着いた役が多い印象がありますが、普段は感情の起伏はあるほうですか?
本当にジェットコースターです(笑)。グワーンと上がるときもあれば、下がるときもあって。考え込みやすいタイプで、先の見えないことで不安になったり、焦ったり、楽しくなったりするんです。カメラの前に立つときは役を背負っているので、そういうことはありませんが、普段は自分が何をしたらいいのか、わからなくなったりもします。
――気持ちが上がるのはどんなときですか?
気心が知れた人とたわいもない話をしている時間が、すごく好きです。ボケたりツッコんだりして、そういうときの自分が一番心が晴れている気がします。
――ボケもツッコミもするんですか。
どっちも適当にしています(笑)。雑なボケも、いい加減なツッコミもするので、それを許してくれる相手だからこそ、甘えられる部分があって。テンションが一番上がるかもしれません。
――下がったときは、どんなふうになるんでしょうか。
僕らは役をいただいて生きていかないといけないので、撮影している期間は、役のことを考えない時間はありません。撮影が空いて、先のお話がわかっていたりすると、「ここはこう思うだろうな。でも、あのときはこう思っていた」とズレが生じることがあって。そうなると、どうしようか悩んでしまいます。あと、僕らの仕事は作品を見て評価していただくことで、初めて結果が出ますから。僕は気にしいな部分があって、世の中でどう見られているのか感じると、考え込んで落ちてしまう瞬間もあります。まだ100%自信を持って演技ができているとは言えませんが、切り替えはちょっとずつできるようになってきました。
2003年2月5日生まれ、埼玉県出身。2017年に俳優デビュー。主な出演作はドラマ「恋に無駄口」「君のことだけ見ていたい」(ともに'22年)、「スタンドUPスタート」「マイ・セカンド・アオハル」(ともに'23年)など。2024年7月期ドラマ「ビリオン×スクール」(フジテレビ系)に出演。「恋愛バトルロワイヤル」(Netflix)が配信中。2025年1月5日スタートの大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(NHK総合)に出演。
全8話を世界独占配信中
超エリート女子高に入学した有沢唯千花(見上愛)が2年に進級したとき、男子校と合併して共学化。男女交際禁止の校則が制定された。生徒会がラブホテル周辺などで“ウサギ狩り”と呼ばれるパトロールを行い、会計の唯千花と神田篤史(水沢林太郎)も参加するが、唯千花は違反者からお金を受け取って証拠写真をもみ消す“ラブキーパー”の活動を始めた。そして、唯千花自身も同じクラスの真木陵悟(宮世琉弥)と惹かれ合っていき……。
スタッフ
監督:松本壮史 / 太田良 / 安川有果
脚本:篠﨑絵理子 / 首藤凛
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