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異色の友情がアニメに!「カラオケ行こ!」堀江瞬が語るメディアミックスの魅力

2025年03月27日 17時30分

インタビュー

アニメ「カラオケ行こ!」で主人公・岡聡実を演じる堀江瞬さん

アニメ「カラオケ行こ!」で主人公・岡聡実を演じる堀江瞬さん

シリーズ累計130万部を突破し、2021年にマンガ大賞3位を受賞した、和山やまの大人気作「カラオケ行こ!」。ヤクザの狂児と合唱部部長の中学生・聡実の異色の友情を描いた本作は、2024年に実写映画化され、日本アカデミー賞の優秀主演男優賞・新人俳優賞・優秀脚本賞・優秀音楽賞の4部門を受賞しました。

さらに、続編「ファミレス行こ!」がebookjapanマンガ大賞2025のマンガ部門大賞に選ばれるなど、快進撃は続いています。そして、待望の次なる展開はアニメ化!

マンガ・映画・アニメと、さまざまなメディアミックス展開が進む本作。それぞれの違いや共通点はどこにあるのでしょうか?

今回は、アニメ版「カラオケ行こ!」で主人公・岡聡実を演じる堀江瞬さんにインタビューを実施。作品の魅力や、主人公との共通点、オーディション秘話、さらには声優として考える「アニメならでは」のアプローチについて伺います。

堀江瞬さんと「カラオケ行こ!」の主人公・岡聡実の出会い

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――まず、原作との出会いから教えてください。

オーディションの前から、和山先生の作品とは出会っています。友人に「お前絶対好きだから」と言われ、「夢中さ、きみに。」を勧められたんです。読んでみたら、思惑通りまんまとハマりましたね(笑)。そのまま「カラオケ行こ!」も、いち読者として楽しんでいました。

――既に実写映画が上映済みですが、映画「カラオケ行こ!」はご覧になりましたか?

オーディションを受けた後くらいにちょうど上映されていましたが、そのとき、自分はこの役に落ちたと思っていて、「関わることができない作品だ」という感覚でした。だから、その作品の実写化と聞くとやっぱり悔しさと悲しさがあって、公開中に見ることはありませんでした。ところが、公開が終わったくらいのタイミングでオーディションに受かったことがわかったので、Netflixで見ることにしたんです。

――どうでしたか?

めちゃくちゃ面白くて、スクリーンで見たかったなって後悔しました(笑)。映画は、独立した一つの作品になっていて、「カラオケ行こ!」を知らない人が実写を見たとしたら、原作があることに気付くことがなさそうなくらい完成されています。でも、しっかり「カラオケ行こ!」なんですよね。原作のよさが生かされていて、アニメとはまた違った魅力があるなと感じました。

――堀江さんが感じる「カラオケ行こ!」の魅力とは? 作品を知らない人にどうお勧めしますか?

非現実的なのに、めちゃくちゃ身近にも感じるというギャップがあるところです。ヤクザと中学生が交流を深めるっていう突拍子もない設定や、会話の描写も魅力的。それから、聡実くんが本当に等身大の男の子で……。親近感がなぜか持てる、(聡実くんの)アンニュイさも魅力かなと思います。

――聡実役のオファーを受けると決めた後、原作を読み直しましたか?

それこそ、オーディションで聡実くんを演じることが決まってから改めて原作を読んだんですが、聡実くんの気持ちがわからないことが多くて……。例えば、淡々とした中で、急に伊藤潤二先生風のタッチで面白い顔してカッと怒るところがあるのですが、そこを「どう演じよう?」「ここの気持ちの流れってどうなってるの?」といった迷いがあり、不安だらけでした。

だからこそ、オーディション受けた後に「絶対落ちたな」と思っていました。

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――オーディションで聡実くん役を演じる際に、何か意識したことはありますか?

特別何かを意識することはなかったです。今はどの作品でもそうなんですけど、「受かってから考えよう」と、フラットにオーディションに臨んでいます。

――今は、というと?

新人の頃はかちこちにイメージを固めて、がむしゃらに受けていました。ただ、その分、落ちたときのショックが計り知れなくて……。そんなことを繰り返しているうちに、「受かってから考えよう」という気持ちで臨むようになりました。

それに、オーディション段階で、自分のイメージをかちこちに固めちゃうと、受かってから違うディレクションをされた場合、全然対応できないんです。「オーディションではこうやってもらったんですけど、こういうふうにしてください」いう演出もわりとあって、そこから学びました。

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――フラットな姿勢でいることで、柔軟な演技ができるのですね。この作品のようにメディアミックスがある場合も、あまり意識はされないのでしょうか?

むしろ、別メディアを意識しないようにしています。今作もオーディションが終わってから実写映画の上映がスタートしたのですが、もし仮にオーディションのタイミングがズレていたとしても、先には見なかったと思います。実写映画の世界観に引っ張られる確信があったので。

もちろん実写の演技のほうがよかったと言われたら悔しいなという気持ちもありますけど、じゃあ実写に寄せたらいいかというと、それはそれで違うと思うんです。

――なるほど。実写とアニメでは、表現方法も大きく異なりますからね。

ええ、それに僕はメンタルが雑魚なので(笑)実写版の齋藤潤さんの演技を見ちゃうと、どうしても影響を受けてしまいそうで……。しっかり自分の中のお芝居をしようという気持ちもあります。

――オーディションでは歌唱審査もあったそうですね。

実は、テープオーディションで、歌唱審査が「紅」でした。普通に歌うパターンと、あるシーンの状況に即したパターンの両方です。

――そんなオーディションを経て、聡実くん役に決定したときの様子についてお聞かせください。

マネージャーから「受かりました」と連絡があって、そこで知ったんです。だけど、「うわ、うれしい、よっしゃぁ!」という気持ちにはなれなくて、「ああどうしよう」という不安が勝っていました。なんなら収録が始まるまで、ずっと気が重かったですね。

小野大輔さんとの掛け合いで生まれた“聡実くん”

――気が重い時間が長く続いたのですね。

はい。でも実際にアフレコをする中で、徐々に手応えみたいなものを感じるようになりました。それこそ、小野大輔さん演じる狂児と掛け合う中で。小野さんとの芝居がすごくやりやすくて、そのあたりが皆さんに見ていただいたときによいものとして受け取ってもらえるんじゃないかなぁという気持ちです。

――小野さんの話が出てきたところで、成田狂児というキャラクターについての印象を教えて下さい。

「エロい男やな」と思います。こんな男になりたい……。ひょうひょうとしていて親しみやすそうなのに、全てをさらけ出さない。そんなミステリアスさがあるんですよね。なんか、「自分の中では、自分の全てが狂児なのに、狂児の中では、全てが自分じゃないんだ」みたいな(笑)。で、それを小野さんが演じられると聞いたとき、なんだかこう、しっくりくる感じがありましたね。

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――組み合わせの妙ですね。小野さんと成田狂児がいてこその、堀江さんが演じる岡聡実ですか。

僕はわりとどの作品でもそうなんですけど、“環境で役作り”をします。例えば今回だったら、狂児役の小野大輔さんと掛け合いをめちゃくちゃさせてもらったんですけれど、小野さんに“聡実にしてもらう”感覚です。

――その小野さんとは作品について話されましたか?

はい。それこそ現場や取材など小野さんとご一緒させていただくときなどに話しますね。あと、別の現場での話ですが、「カラオケ行こ!」のアフレコが終わってからお会いすることがあって、そのときは冗談で「聡実くんじゃねぇか」って言われました(笑)。

――いい関係性……現場の楽しい雰囲気も伺えますね。

そうですね。やっぱ僕と小野さん含めて、ほとんど全員が関西出身のキャストで固められた座組だったので、休憩時間もみんな関西弁で話すんです。大阪のチャキチャキした感じで、雰囲気も明るかったですね。僕も忘れかけていた大阪の記憶がよみがえってきました。

――その関西弁の演技についてですが、大阪弁といっても、かなり場所によって違うと思います。演じてみてどうでしたか?

「場所によって全然違うから」と言い訳しながらやっていましたけど、本当に一ミリも関西弁を覚えてなくて……。というのも、大阪にいたのは2012年くらいまでで、その後は愛媛で6年間過ごしたんです。そしたら、もう見事に大阪の記憶が上書きされちゃって、ほぼまっさら。自分のプロフィールに関西弁が話せるって書いていますが、そろそろ消さなきゃいけないと思うくらい、ズタボロでした。

だから、方言監修の野津山くんにほぼ全て直されるという(笑)。とても大阪出身者とは思えないありさまでしたね。

テレビアニメ「カラオケ行こ!」

20257月放送スタート

 

出演
岡聡実:堀江瞬
成田狂児:小野大輔
二階堂明:岡本信彦
目高優一:小野友樹

 

スタッフ
原作:和山やま「カラオケ行こ!」
監督:中谷亜沙美
助監督:塚原佑希子
シリーズ構成:成田良美
キャラクターデザイン:松浦麻衣 / 谷口淳一郎
音楽:伊賀拓郎
アニメーション制作:動画工房

TVアニメ「カラオケ行こ!」「夢中さ、きみに。」公式サイト

堀江瞬(Shun Horie)

1993525日生まれ。大阪府出身。ラクーンドッグ所属。主な出演作は、「ドラゴン、家を買う。」(レティ役)、「蜘蛛ですが、なにか?」(シュン役)、「アイドルマスター SIDE M」(ピエール役)など。2018年に第十二回声優アワード「新人男優賞」を受賞。2019年にはKiramuneレーベルの音楽ユニットSparQlewのメンバーとしてメジャーデビュー。2025年公開作にアニメ「カラオケ行こ!」(岡聡実役)が控えている。

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