青山剛昌原作！ 4月5日放送開始の注目アニメ「真•侍伝 YAIBA」の魅力

「名探偵コナン」など数々のヒット作を持つ青山剛昌先生が、1988～1993年に週刊少年サンデーで連載していた人気マンガが「YAIBA」です。今回、その「YAIBA」が、原作者・青山先生のシナリオ完全監修のもと「真•侍伝 YAIBA」のタイトルで“完全アニメ化”。2025年4月5日（土）17時30分からの放送開始を前に「YAIBA」の魅力に迫ります！

2人の少年と2本の魔剣が紡ぐ大冒険活劇！

「YAIBA」は、剣の修行のために父・剣十郎と共にジャングル生活をしていた少年・鉄 刃（くろがね・やいば）が主人公の物語。ひょんなことから日本に帰国した刃が剣道の実力者・鬼丸 猛（おにまる・たけし）と出会い、2人が古来より伝わる風神剣と雷神剣という2本の魔剣を手にしたことで、お互いの運命が大きく変化していくこととなります。

今回のアニメ化で注目されるのは、“完全アニメ化”と発表されている点。すでに公開されているPVなどの映像では、約30年前の「YAIBA」連載当時の絵柄を再現したキャラクターが動き回る様子に、ファンから歓喜のコメントがあふれています。またストーリーの面でも“青山剛昌シナリオ完全監修”と発表されており、公式サイトの作品紹介では刃の帰国理由を「ひょんなことから」としているあたりからも、原作を尊重したストーリーとなることがうかがえます。

連載当時の絵柄が再現されている一方でPVの巨大な塔が倒れていく場面は、原作の東京タワーが切り倒される場面ではないかと推測されますが、新しい東京のシンボルのような形になっており現代的なブラッシュアップもされているようです。

“真のサムライ”を目指すジャングル育ちの野生児剣士・鉄 刃

それではここから、原作の「YAIBA」の設定をベースに登場人物を紹介していきます！

主人公の刃は、ジャングルで野生動物を相手に武者修行をして育った少年剣士。父の剣十郎（けんじゅうろう）も名の知られた剣士であり、刃自身も優れた身体能力や直感力を持っていますが、すぐに調子に乗ったりうぬぼれたりするなど、精神面はまだまだ未熟なところも。

性格は一言で言えば「天真爛漫」。剣の修行やおいしい食べ物など、好きなことや物には簡単に気を取られてしまう一方で、勉強や礼儀作法といった苦手なものには見向きもしません。ただし“真のサムライ”を目指すために必要であれば、どんなに苦しい修行でも手を抜くことなく真摯に向き合う真面目な性格も持ち合わせています。情に厚く正義感にあふれ、自分が倒した敵に刺客が差し向けられたことを知ると逃げられるように取り計らうなど、弱者や困っている人には手を貸すこともいとわない性格です。

剣士として強い相手と戦うことに喜びを感じる性質で、戦い方は弱肉強食のジャングルで育ったためか奇襲や挑発など、相手の裏をかくことにもためらいがありません。むしろ正面から立ち向かってもかなわないような強い相手に、創意工夫を凝らして戦う柔軟な発想力が大きな武器とも言えます。

刃が手にする雷神剣は強い力を秘めているが故に、肉体だけでなく精神的にも強くなければ扱えない魔剣。刃が精神的な強さも身に付け、この剣を本当に扱えるようになることが、物語冒頭の大きなポイントとなっています。

心優しい剣道少女・峰さやか（みね・さやか）

自宅が町の剣道場を経営しており、父親同士が剣友であったことから刃と出会うことになった本作のヒロイン。

当初はジャングル育ちで常識を知らない刃に振り回され、ツッコミを入れたりあきれたりする不遇な役割が多い苦労人。魔剣に魅入られる前の鬼丸を挑発し続ける刃のことを、「一度鬼丸君にやられてギャフンと言えばいいのよ」などと言う場面も見られました。

剣道場の娘だけあって運動能力は人並み以上に高いようです。とはいえ、刃や鬼丸たちの戦いに割って入るレベルではありません。むしろ戦闘中に武器を持たない刃に剣を渡しに行ったり、敵を引き付けるためにおとりの役割をこなしたりと、勇気と行動力で刃の戦いをサポートしていきます。勇敢なだけではなく、人質としてさらわれたのに過酷な扱いを受ける敵をいたわるなど、心の優しい少女でもあります。

「真･侍伝 YAIBA」では、キャラクター紹介で“SNSも積極的に活用している”という記載があり、原作の連載中にはまだ存在していなかったスマートフォンやSNSが登場することがうかがえ、現代の年相応の少女としてアップデートされている可能性も高そうです。

魔剣の力で高みを目指す剣道の実力者・鬼丸 猛（おにまる・たけし）

刃のライバルとして登場する鬼丸は、さやかと同じ学校の剣道部員で全国大会では優勝するほどの実力者。出会った当初は、勝負を挑んできた刃を文字通り一蹴するなど、実力的には完全に上であることを見せつけました。しかし挑戦を拒否された刃から、ジャングル仕込みの時間・場所・手段を選ばない挑発を受けたことから、強さにとらわれるようになってしまいます。そんな折、魔剣・風神剣を手にしたことから彼の運命は大きく変わることに――。

鬼丸は自分より格下と判断した刃の挑戦を受けもしないなど、プライドの高さは感じさせるもののそれだけの実力も持ち、強くなるためには厳しい修行を自らに課す真面目な性格。一方で、ペットのハトを愛していて、世話を欠かさない動物思いの一面も見られました。

そんな彼が魔剣の力に魅入られたのは、ひとえに刃への憎しみを募らせた結果なのでしょう。生真面目すぎる鬼丸の性格が、ジャングル育ちで常識の通じない破天荒な刃と相性が悪すぎたこと、そしてそんな相手に強者として目を付けられてしまったことが彼の不運、と当時の読者としては同情してしまった部分も……。

圧倒的な魔剣の力を得てからもその生真面目すぎる性格は変わらず、本人は真剣に部下と接しているのに、どこかコミカルなやりとりになってしまうのも鬼丸の魅力なのです！