2024年09月16日 15時23分
レポート
2024年09月16日 15時23分
レポート
多彩なステージで魅了するTOMORROW X TOGETHER。左からTAEHYUN、YEONJUN、BEOMGYU、HUENINGKAI、SOOBIN。
2019年に3月に「The Dream Chapter: STAR」でデビューし、今年、韓国デビュー5周年を迎えた、SOOBIN、YEONJUN、BEOMGYU、TAEHYUN、HUENINGKAIの5人からなるTOMORROW X TOGETHER。
そんなTOMORROW X TOGETHERが、K-POPアーティスト史上最速となる日本4大ドームツアー「TOMORROW X TOGETHER WORLD TOUR <ACT : PROMISE> IN JAPAN」を開催。7月10日の東京・東京ドーム公演を皮切りに、大阪・京セラドーム大阪、愛知・バンテリンドームナゴヤ、福岡・みずほPayPayドーム福岡まで、約2カ月間に渡り全力で駆け抜けました。
本レポートでは、記念すべき初4大ドームツアー最終日となった、9月15日の福岡公演の模様をレポートします。
9月15日、福岡・みずほPayPayドーム福岡には、「TOMORROW X TOGETHER WORLD TOUR <ACT : PROMISE> IN JAPAN」の最終日の公演を見ようと、MOA(TOMORROW X TOGETHERのファンネーム)が世界中から駆けつけました。星の王子さまをモチーフにした砂漠や、荒廃したモノクロの世界を歩くメンバーたちを映したVCRと、切ないピアノのメロディーが会場に流れた後、四方に伸びた花道先とステージに白いケープをまとったメンバーが登場。センターステージに集合しYEONJUNが上から降りてきた王冠を被ると、会場にモールス信号が響きます。
このモールス信号、デビュー曲「CROWN」のイントロや、2024年4月発売の韓国6thミニアルバム「minisode 3: TOMORROW」で、“TOMORROW”とモールス信号で表記したタイトルを入れるなど、TOMORROW X TOGETHERにとって実はキーアイテムの一つなのです。
1曲目は今年7月3日に発売された日本4thシングル「誓い (CHIKAI)」に収録された「Deja Vu [Japanese Ver.]」。妖艶な振り付けのパフォーマンスでも話題となった曲で、一気にTOMORROW X TOGETHERワールドに誘います。初期の名曲でファンからの人気も高い「9と4分の3番線で君を待つ(Run Away)[Japanese Ver.]」は、フレッシュで明るいメロディーが特徴のシンセポップジャンルの曲。発売当時は少年らしさが残っていましたが、今は余裕すら見えるパフォーマンスで改めてメンバーの成長を感じさせます。
あいさつを挟んだあとは、ポップながら退廃的なロック色あふれる楽曲で、新たな魅力を開花させ高評価を得た「0X1=LOVESONG (I Know I Love You)feat. 幾田りら [Japanese Ver.]」のパフォーマンス。荒々しいTAEHYUNの歌声、繊細なBEOMGYUの歌声、力強いYEONJUNの歌声、透明感のあるSOOBINの歌声、切なさを感じさせるHUENINGKAIの歌声全てが巧みに生かされた名曲を、激しくフォーメーションが変わるパフォーマンスで魅せ会場は一気にヒートアップします。
タイトルからも分かる通り、悪魔に取りつかれたようにさまよい揺れ動く青年期の心を表現した歌詞と、ドラマティックなメロディー構成、スローモーションのような動きを取り入れた振り付けまで、独自の世界観あふれる「Devil by the Window」のパフォーマンスは、見ているだけで一編の童話を読んだ気分になり、メンバー全員の表現力の高さに改めて驚かされました。
扇を手にしたダンサーによる韓国の伝統音楽パフォーマンスに続き、センターステージから韓国の伝統衣装をまとい、美しい風景画が描かれた扇を手にしたメンバーが登場し披露したのは、2023年に発表された「Sugar Rush Ride」。韓国伝統楽器を用いた繊細なアレンジが加えられ、さらに夢幻的になったサウンドと、セクシーな魅力あふれるパフォーマンスで会場を沸かせました。
夢から覚め、光を追い求める5人を映したVCRを挟み再びメンバーが登場。スカイブルーとホワイトのベースボールジャケット、ジーンズとカジュアルな衣装をまとい、甘いけれど成長がなかった過去を後にし、現実での新しい始まりを知らせるをテーマにした「Chasing That Feeling」を疾走感たっぷりに披露。
続くディスコポップジャンルの英語曲「Magic」では、「Everybody clap your hands If you’ve got a broken heart Just take a chance」という前向きな歌詞の大合唱と手拍子で、広いドームの会場を埋め尽くすMOAたちの心が一つになったのを感じました。
その後のMCコーナーでも、MOA棒(ペンライト)を使いながらコールしたり、SOOBINが大ファンを公言しているKARAのヒット曲3曲メドレーの完コピダンスで盛り上げたりと楽しい時間が続きます。
ドラムの重低音が体に心地よく響く「New Rules」の後に披露された、メタルロックサウンドの楽曲「LO$ER=LO♡ER」では、曲のテーマである理不尽な世界への反抗心を、がなるようなTAEHYUNの歌声やまるで吐き捨てるようなYEONJUNのラップ、そして体全体で反抗心を表現するようなパフォーマンスが強い印象を残しました。
蒸気機関車を模した巨大なフロートに乗ってのコーナーは、HUENINGKAIが制作に参加したJ-ROCKスタイルの「きっとずっと (Kitto Zutto)」、Mrs. GREEN APPLEの大森元貴が書き下ろした「Force」と日本オリジナル曲が続きます。J-ROCKスタイルの2曲に乗せ、全身でMOAたちの愛を浴びるように大きく手を振り、楽しそうにパフォーマンスするメンバーたちの姿に、思わず笑顔になってしまいました。
BEOMGYUがプロデュースした楽曲で、元々はSOOBIN、BEOMGYU、TAEHYUNの3人のユニット曲を、5人バージョンにアレンジした「Thursday's Child Has Far To Go」でも、ステージ・花道の先の先までくまなく走りまわり、会場を盛り上げます。
その後のトークコーナーでは、ファンからのリクエストに答え「Angel Or Devil」のサビを日本語バージョンで披露したり、BEOMGYUが「MOAに聴かせたいと思っていた歌」と言って、尾崎豊さんの「I LOVE YOU」を披露するビックサプライズも! 「いつかフルで披露したいと思っています」と日本のMOAたちとうれしい約束を交わしてくれました。
メンバーの歌声にどっぷり浸れるバラード「Trust Fund Baby」での、穏やかなピアノ演奏と語りかけるような優しく穏やかな歌声で癒やされた後には、個人的にもとても印象に残ったユニットコーナーへ。
BEOMGYU、TAEHYUN、HUENINGKAIのユニット曲「Quarter Life」は、アコースティックギターが響くロックで、「どこに行けばいいんだ!」と訴えかけるように歌いながら、拳を突き上げる振り付けで青春期のもどかしさと、同時に自分の手で自分の人生を掴み取るんだという力強さを表現、そしてSOOBIN、YEONJUNのユニットによる「The KILLA」では、会場から悲鳴もあがるほどの大人の魅力あふれるパフォーマンスで魅了しました。
再びのグループステージでは、懐かしさを感じさせるポップスサウンドで、TOMORROW X TOGETHERのワールドポップスターとしてのさらなる可能性を感じさせる英語曲「Back For More」、どこかオリエンタルなサウンドとサビの中毒性にハマってしまう「Tinnitus」では、ライブ後半にも関わらず超ハードなダンスプレイクを完璧に披露し、表現力と同時にその体力にも驚かされました。
その後も、何かが憑依したようなメンバーの表情に圧倒される「PUMA」、ロックサウンドにハードコアヒップホップが融合された「Good Boy Gone Bad」、墜落の苦しみを激しいサウンドで表現した「Growing Pain」とハードな楽曲が続き会場を熱狂の渦に導きます。
宇宙を漂い、5本の線路が交わる場所で出会う5人を幻想的に描いたVCRが終わると、カジュアルなシャツ姿に着替えたメンバーが登場。センターステージで座りながら「Dreamer」をしっとりと歌い上げると、日本オリジナル曲「ひとつの誓い(We’ll Never Change)」では、“僕たちはお互いに違うし変わっていくが、「永遠に一緒にいる」ということだけは変わらないようにしよう”という切実な思いがストレートに伝わる真摯なステージが胸に迫りました。
本編ラストはポップで明るいエナジー溢れる「I’ll See You There Tomorrow」。会場からの大きな掛け声をうれしそうに受け取り、汗だくになりながら最後まで軽やかなパフォーマンスで魅了しました。
アンコールではアコースティックポップに乗せた温かな歌声が心地よい「Magic Island」、MOAへの思いを込めたファンソングで“奇跡は君と僕が一緒にする瞬間ごとに起こっている“というサブタイトルを持つ「Miracle」、疾走感溢れるサウンドで盛り上がる「永遠に光れ (Everlasting Shine)」、TOMORROW X TOGETHERのコンサートでは欠かせないファンソングであり、掛け声で会場が一つになる「MOA Diary (Dubaddu Wari Wari) [Japanese Ver.]」と、会場中に笑顔があふれ続けます。
ついに訪れた4大ドームツアー最後の最後を飾ったのは、GReeeeNが書き下ろした日本オリジナル曲「Ito」。日本のファンから非常に高い人気を誇る名バラードを情感たっぷりに歌い上げ、歌詞にあるように、TOMORROW X TOGETHERとMOAが出会い重なり合った“イト”のように強い絆を紡いでいくのを、目の当たりにしているような温かな気持ちを終始感じました。
最後のあいさつでは、メンバーそれぞれからMOAへの熱いメッセージが。
SOOBIN
「ドームツアーをしながら、これまでできなかったことをたくさんできた気がしています。この2カ月間ドームツアー、皆さんのおかげでとても幸せでした。またドームに早い時期にお会いできることを願っています。(日本語で)今日本当にありがとう。永遠に一緒だよ!」(SOOBIN)
HUENINGKAI
「忘れらない思い出を作ってくださってありがとうございます。ドームツアーはなかなかできないことで簡単ではないチャンスです。まだ夢を見ているようですが、この夢を叶えてくれたのはMOAの皆さんです。またすぐ戻って来れたらうれしいし、この気持ちをまた感じたいです。アルバムも一生懸命準備していますので待っていてくれますよね?(日本語で)約束です!またすぐ会おうね、愛してるよ!」(HUENINGKAI)
BEOMGYU
「東京、大阪、名古屋、福岡まで来て、MOAの皆さん、メンバーの大切さを改めて感じることができました。ありがとうという感謝の気持ちを伝えたいです。僕はまだ名残惜しい気持ちがたくさん残っています。また僕たちドームに来られたらぜひ遊びに来てくださいね。これからもすてきなステージをお見せするBEOMGYUになります!(日本語で)今日絶対、僕らの夢見てね。僕の夢だったら最高! 大好き! ありがとうございます」(BEOMGYU)
YEONJUN
「アーティストにとってドームツアーはとても大きな意味があって、夢のステージです。それができるようにしてくださったこと、できる歌手になれたことが誇らしいです。そしてそれはMOAの皆さんのおかげですので、心から感謝しています。当たり前のことではないですし、大きな愛をいただいていると最近また感じています。これからもその愛に、歌、ダンス、愛でお応えします。(日本語で)僕らがすぐ戻ってくるけんね。待ってるとね!大好きです、また会いましょう」(YEONJUN)
TAEHYUN
「(日本語で)いつもこんな大きな場所でコンサートをする時には、今晩が最後だと思ってするのですが、機会があったらドームツアーは来年もしたいです!(韓国語で)このドームツアー中とっても幸せでした! 次もさらにすてきなセットリストをもって、戻って来られたら戻ってきます!(日本語で)ほんまにバリ好きたい!」(TAEHYUN)
と、全メンバーが、ドームツアーができたことはMOAのおかげですと何度も感謝を伝えている姿が印象的でした。
東京・大阪公演ではBEOMGYUが足のけがのためにパフォーマンスを制限せざるを得ない状況もあったTOMORROW X TOGETHERの4大ドームツアーですが、なんと終演後の会場モニターに「2024年冬、TOMORROW X TOGETHERが約束を守りに戻ってきます。また冬に日本で会いましょう!」とのメッセージが表示され、追加公演「TOMORROW X TOGETHER WORLD TOUR <ACT : PROMISE> ENCORE IN JAPAN」が発表されるサプライズが! 次はどんなステージ、どんなパフォーマンスで魅了してくれるのか期待しながら、今年の冬を待ちたくなるそんな公演だったのではないでしょうか。
取材・文:平松道子(MIDUMU)
(P)&(C) BIGHIT MUSIC
SOOBIN、YEONJUN、BEOMGYU、TAEHYUN、HUENINGKAIで結成された、5人組ボーイグループ。グループ名は「それぞれ違う君と僕がひとつの夢で集まって共に明日を作って行く」という意味が込められている。2020 年1月にシングル「MAGIC HOUR」で日本デビュー。2024年4月発売の6th ミニアルバム「minisode 3: TOMORROW」まで10作連続1位を記録し、海外アーティストによるアルバム連続1位獲得作品数歴代1位の記録を保有。2023年にはアメリカ・シカゴの大型音楽フェスティバル「Lollapalooza」にてK-POPグループとして初めてヘッドライナーを務める。2024年には自身3度目となるワールドツアーを開催。日本でも自身初であり、K-POPアーティスト史上最速となる4大ドームツアーを東京、大阪、名古屋、福岡で開催。
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