2024年10月03日 17時00分
特集
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ZEROBASEONE
グローバルボーイズグループデビュープロジェクト「BOYS PLANET」から誕生し、2023 年7 月に韓国デビューした K-POP グループ・ZEROBASEONE。2024 年3月にリリースした日本デビューシングルは、海外アーティストの1st シングル初週売上枚数歴代 1 位を更新するなど、現在最も勢いのあるボーイズグループの一つです。そんな ZEROBASEONE が、4 枚目のミニアルバム「ZEROBASEONE The 4th Mini Album [CINEMA PARADISE]」を8月にリリース。
本稿では、“青春”をテーマとした 3 作のミニアルバムを経て「CINEMA PARADISE」で新たな一歩を踏み出した彼らの歩みを振り返りつ、“ZEROBASEONE らしさ”とは何なのかをひもときます。
ZEROBASEONEというグループ名には、“ゼロ(0)から始まりワン(1)で誕生する9人のメンバーの輝かしい始まり”という意味が込められており、未完成の“0”から“1”になるまでの自由な旅路をファンと一緒に歩むという、メンバーたちの決意も内包しているそうです。
デビューアルバムの「ZEROBASEONE The 1st Mini Album『YOUTH IN THE SHADE』」は発売から一週間で182万枚以上の販売数を記録し、K-POP史上初のデビューアルバム初動ミリオンセラーを達成しました。2023年度の各種新人賞のほか、「ソウル歌謡大賞」「ゴールデンディスクアワード」「Hanteoミュージックアワード」では、新人賞に加えて本賞も受賞しました。
デビューEPのタイトル曲「In Bloom」は、どこか懐かしさを感じる感性とトレンディーさが共存するドラムンベーススタイルの楽曲で、青春の華やかさとその裏にある不安定さを描いたアルバム「YOUTH IN THE SHADE」のテーマをそのまま表現した楽曲といえるでしょう。
かの有名なシンセポップの名曲・a-haの「Take On Me」のメインリフをオマージュした爽やかな疾走感のあるトラック、それと対照的にゆったりとしたボーカルは、曲のコンセプトである二面性を表現しているようです。
“華やかさと不安定さが表裏一体の青春”という1stアルバムのテーマは、ZEROBASEONEのアイデンティティーそのものでもあり、以降この流れのテーマが“青春3部作”として続いていきます。
2023年11月にリリースした「ZEROBASEONE The 2nd Mini Album『MELTING POINT』」は、初動販売数213万枚を突破し、ダブルミリオンセラーを達成しました。タイトル曲「CRUSH」は、ドラムンベースとジャージークラブのリズムの上にとげ(crush)を連想させるパーカッションの音とパワフルなボーカルが合わさった、デビュー曲とは少しイメージの違うエネルギッシュな印象の楽曲。
ファンの愛によって夢を咲かせた9人のメンバーが、今はバラの花のとげになって、何があっても最後までファンを守るという誓いを描いています。
今年5月に発表された「ZEROBASEONE The 3rd Mini Album [You had me at HELLO]」からは、4月に先行曲の「SWEAT」がリリースされました。「炸裂する太陽の下であなたと一緒に踊るダンスだけに没頭して、ほかに何も思い出せない今この瞬間」を歌った、ハウスジャンルの楽しい雰囲気のダンスナンバーで、シンセの音とR&Bなボーカルのイントロに引き込まれます。夏の熱さ、情熱、無限の可能性という情熱的なイメージではありながらも、やはりベースには爽やかさを感じる曲です。
タイトル曲の「Feel the POP」は、誰もが直面する青春時代の心配ごとや悩みをZEROBASEONEと共にする瞬間だけはすべて忘れて吹き飛ばせるようにという意志を込めた曲で、シンガーソングライター・MAXが制作に参加し、ドラムンベースにUKガラージ、ジャージークラブなど多様なリズムが混ざった、タイトル通りPOPな1曲に仕上がっています。
1stミニアルバムのジャケットでは「YOU HAD」の文字を、2ndミニアルバムでは「ME」、3rdミニアルバムの先行シングル「SWEAT」では「AT」の文字をそれぞれクローズアップしたデザインになっており、3rdミニアルバムのジャケットでは「HELLO」を強調して“青春3部作”の最後を飾るアルバムである「You had me at HELLO」のタイトルを完成させるという、遊び心を感じる仕掛けもありました。
一貫したテーマと曲調でまとめた青春3部作が完結し、今年8月にリリースされた「CINEMA PARADISE」では、テーマも曲調自体もガラリと変わった姿を見せてくれました。
タイトル曲の「GOOD SO BAD」はSMエンターテイメント所属の作曲家・プロデューサーで、少女時代・テヨンの「To.X」、RIIZE「Memories」、aespa「Supernova」といったチャート的にもクオリティー的にも話題の楽曲を生み出し、ヒットメーカーとして知られるKENZIEが提供しています。
エレクトロニックで多彩なシンセ音が幻想的で、今までとはまた違う印象のパフォーマンスを味わえる1曲です。宇宙に飛び出すような広大なサウンドスケープと星を思わせるアルペジオ、ファンキーでメロディアスなベースラインの上に爽やかなボーカルとラップが加わって、どこかユーモラスな雰囲気も感じられます。
デビューアルバムから通して聴いていくと、ZEROBASEONEの楽曲はドラムンベースやジャージークラブが主体の“青春3部作”の間に、日本デビュー曲としてリリースされたドラムンベースとトラップサウンドを華やかなアレンジで融合させた「ゆらゆら-運命の花-」を挟むことで、最新作「CINEMA PARADISE」まで緩やかにつながっている印象です。
いずれの楽曲でも根底にある清涼感や爽やかさ、そしてファンダムである「ZEROSE」への愛情が揺るがないことで、それが“ZEROBASEONEらしさ”のシグネチャーを形作っているようにも感じられます。
デビューアルバムから続いた“青春”をテーマとする3部作が完結し、「CINEMA PARADISE」以降より自由な表現へと歩み始めたZEROBASEONEがどこへ向かっていくのか、この先も動向が楽しみです。
文:DJ泡沫
©WAKEONE
2024年8月26日発売
01. GOOD SO BAD
02. KILL THE ROMEO
03. The Sea (ZB1 Remake)
04. Insomnia
05. Road Movie
06. Eternity
07. YURA YURA (Korean Version)
©WAKEONE
グローバルボーイズグループデビュープロジェクト「BOYS PLANET」から誕生した第5世代K-POPボーイズグループ。SUNG HAN BIN、KIM JI WOONG、ZHANG HAO、SEOK MATTHEW、KIM TAE RAE、RICKY、KIM GYU VIN、PARK GUN WOOK、HAN YU JINのグローバルな9名で構成。2024年3月20日、「ゆらゆら -運命の花-」で日本デビューを果たすと、海外アーティストの歴代デビューシングル最高売上枚数の記録を更新。2024年秋からは日本を含む初の海外ツアー「2024 ZEROBASEONE THE FIRST TOUR [TIMELESS WORLD]」もスタート。
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