2024年12月10日 12時46分
レポート
2024年12月10日 12時46分
レポート
「Stray Kids World Tour <dominATE JAPAN>」の模様
12月8日、Stray Kids史上最大規模のワールドツアーとなる「dominATE」の日本公演「Stray Kids World Tour <dominATE JAPAN>」が、大阪・京セラドーム大阪にて最終日を迎えました。11月14日・16日・17日に東京ドーム公演、そして12月5日から京セラドーム大阪で行われた全6公演のラスト飾る本ライブの模様をレポートします。
するどいギターサウンドに、ゆらめく「Stray Kids」の旗。フィリックスの第一声を合図に、1曲目は「MOUNTAINS」。続く大ヒットナンバー「Thunderous」、そして「JJAM」へと、この日もメンバーの気合いは充分。チャンビンの高速ラップ、スンミン、アイエンの突き抜けるようなボーカル、ハンはハイトーンを響かせ、リノはキーリングパートで聴衆の目と耳を奪います。フィリックスはメンバー唯一のブロンドヘアーも相まって一層の存在感と輝きを放ち、ヒョンジンは早くも楽曲の世界に没入。不敵な笑みを浮かべます。そして、安定感と力強さでパフォーマンスを支えつつ、牽引するバンチャン。このハイレベルな個性の集合体こそStray Kidsだと、冒頭から見せつけました。
関西弁あり、日本の歌ありの自己紹介とあいさつを経て、Stray Kidsはじまりの曲「District 9」。生バンドによるロックアレンジも、ライブこそ持ち味とするStray Kidsならでは。彼らの人気と知名度を大きく引き上げたといえる「Back Door」ではカメラワークを凝らし、モニターを活かした演出でファンを楽しませます。大小問わず世界中の会場を沸かせてきたからこそのライブ力で、5万人を一気に引きつけました。
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「Hold my hand」(ハン)、「Youth」(リノ)、「As we are」(スンミン)、「So Good」(ヒョンジン)と続くソロコーナー。疾走感あるポップロックでギターをかき鳴らし、音楽的ルーツを感じさせるハン、リノは泳ぐような心地よさを感じるポップなダンスナンバーでいたずらっぽい笑顔を見せ、ファンをときめかせます。目を閉じてひと息つき、ギターを抱えてステージへと向かうスンミン。どんなときも音楽に対して真摯な彼の姿勢が、声や仕草から熱く伝わりました。髪を結んで登場したヒョンジン。投げキッスを合図にスイッチが入ったかのように、セクシーな鋭い視線とストーリーテリングなダンスで魅了しました。
「Chk Chk Boom」から「GIANT」まで、実に色が異なる楽曲たち。それぞれが音に乗って、自由に遊ぶように、だけど、きめるときにはきめる。これがワールドクラスのアーティストであり、Stray Kidsの音楽だと示すようなステージングで、中毒的な一体感を生み出します。“こうでなくてはならない”――そうした概念を吹き飛ばし、自分は自分であり続ける。それがデビューから貫き続けてきた、揺るぎないStray Kidsのあり方。彼らは音楽を通し、一緒に遊ぼうと言わんばかりに、楽しさを全身で表現するのです。そして、心に染みわたるような「twilight」「Lonely St.」では、聴衆に寄り添います。楽曲に描かれる、隠そうともしない人間的な部分も、多くの人々が彼らに引かれる理由の1つなのでしょう。スンミンの透き通るロングトーンに一瞬、会場が静まると、8人が集まり「Social Path (feat. LiSA) 」。跳んで、駆けて、輪になって――音に乗ってお互いに見せる表情は、メンバーというつながりを超えた仲間、友達、家族へのもの。そんなふうにも見えました。
「Railway」(バンチャン)、「HALLUCINATION」(アイエン) 、「Unfair」(フィリックス) 、「ULTRA」(チャンビン) と、もう1つのソロコーナー。真っ赤な世界で、ある1人の男の狂気にも思える熱情を表現したバンチャン。アイエンはブラックの衣装で、挑発的かつ悩ましげな表情を浮かべ、フィリックスは薔薇をバックに、天から授かったビジュアルと唯一無二の声で圧倒します。チャンビンは、聴衆に訴えかけるパワフルなラップは言わずもがな、柔軟性とテクニックを併せ持つダンスでも会場を魅了しました。
「GET LIT」ではハンとヒョンジンがスーパー戦隊のようなポージングで登場。続く「ITEM」ではバンチャンが差し出した手にリノがちょんと触れるなど、ギアが上がったメンバーたちの予測できない行動を追うには、とても目が足りません。
「DOMINO」では、一斉にアリーナに水を撒くシーンも! おなじみのビートチェンジと激しいダンスブレイクでは、ひときわ大きな歓声があがります。トキシックな楽曲に散りばめた、メロディアスなフレーズが際立つヒットナンバー「God’s Menu」「S-Class」と盛り上がり必至のメドレーから、再びMCに突入。ソロ曲の自作の掛け声が「サランヘヨ(愛してる)、イ・リノ」ではなかったことが発覚し、恥ずかしそうに次の話題へと移ろうとするリノや、バンチャンの腹筋に対する、ファンよりも大きなメンバーからの「みーせーてー」コール、「GIANT」のチャンビンのラップを真似して、笑顔でお仕置きされそうになるフィリックスなど、先ほどまでの激しいステージが嘘のような、楽しいトークが続きます。
アイエンの、かわいらしくもどこか貫禄ある音頭で乾杯をしたあと、ライブはいよいよラストのブロックへ。「VENOM」「MANIAC」と、前回のワールドツアーを牽引した楽曲は、より余裕と成熟を感じさせ、ライブならではのアレンジで新しい顔を見せます。「MANIAC」のラストでは花道を全力疾走! 同じく京セラドーム大阪で行われた「2022 MAMA AWARDS」の伝説のステージを彷彿とさせました。
再びステージに現れた彼らは、SKZOO(公式キャラクター)のグッズを身に着けて登場。キュートな振り付けの「I Like It」、「CASE 143 -Japanese ver.- 」「My Pace -Japanese ver.- 」の心弾むメドレーでは、その仕草やメンバー同士のやりとり一つひとつに歓声が起こります。歌い終わったあと、STAY(ファンネーム)にマイクを向けたバンチャン。その歌声を聞き、「かわいい」とぽろっとこぼしました。
最後のメント。フィリックスは、「STAYが待ってくれていることを思うと、ステージの準備も1ミリも大変だと思わない」と、左右のSTAYにしっかりと目線を送りながら伝え、最後はマイクを通さずに感謝の言葉を叫びます。「今日はいつもより優しくしました」と笑う本当は優しいリノは、「皆さんの笑顔を見れて、プリン、しゃぶしゃぶ、串カツ、おいしいものも食べて幸せです!」と微笑み、「いつも、スキズとSTAYの気持ちは繋がっています。来年は8年目、8人で必ず戻ってきます」というバンチャンの約束には、大きな歓声が起こりました。
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ここで、STAYからのサプライズムービー。好きな曲や、STAYになって誇りに思うことを話すSTAYの言葉に、メンバーは驚いたり優しく微笑んだり。「好きやで」の言葉をすっかり気に入ったようすで、リノは会場を見渡し「僕の日本語の先生たち! 好きやで!」と、やんちゃな笑顔を見せました。
「Stray Kids everywhere all around the world!」「You make Stray Kids STAY」の合言葉から、「Stray Kids」。ドームのステージを全身で味わうように、並んで座り、会場を見渡すフィリックス、スンミン、アイエン。演奏が終わっても、Stray KidsとSTAYは歌うことをやめません。最後の曲は「MIROH」。飛び込んだのは自分だから怖くない、どこまでも超えていくという強い意志は、いつからか8人の夢や強がりではなく、多くのSTAYの心の支えとなり、今もそうあり続けています。きっとまた会えるからこその、しんみりしない、さっぱりとした明るいエンディング。
そして、最後の最後にサプライズが!「もうすぐクリスマスじゃないですか?」という言葉で察したSTAYから大歓声が起こると、サンタ帽やトナカイのカチューシャをつけたメンバーが登場。「Christmas Love」を特別に披露しました。「帰りたくないな」とつぶやき、フィリックスをおぶって帰っていくバンチャン、かたや「明日、仕事頑張ってね!」と、しっかり現実を突きつけるリノ、「ほほほ」とサンタクロース風の笑い声を残して去っていく不思議なスンミンと、最後の最後まで、どこまでもStray Kidsらしいライブ。いつもSTAYを守り、STAYとの約束を守るバンチャンの言葉――8年目、8人で戻ってくる“次”を心から楽しみに待てる、そんな、笑顔いっぱいのファイナル公演でした。
取材・文:新亜希子
撮影:田中聖太郎、田中聖太郎写真事務所
2017年、サバイバル番組「Stray Kids」を経て結成し、翌2018年にデビュー。全ての楽曲の制作、プロデュースをメンバー自らが手がけるセルフプロデュースグループ。メンバー8人は、楽曲制作の中心を担う3RACHA(バンチャン、チャンビン 、ハン)、ダンスを得意とし振り付けも手がけるDANCE RACHA(リノ、ヒョンジン 、フィリックス )、ボーカルを牽引するVOCAL RACHA(スンミン、アイエン)のユニットで構成されている。
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