2024年08月30日 18時00分
特集
2024年08月30日 18時00分
特集
「aespa: MY First page」より (c)2024 SM ENTERTAINMENT CO.,LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
パンデミック下の2020年にデビューし、いまや人気・実力ともにトップクラスのガールズグループの1組であるaespa。2023年には初の東京ドーム公演を成功させ、今年は日本デビューを果たすなど、日本でも高い人気を誇る彼女たちの、初となるドキュメンタリー映画「aespa: MY First page」が8月30日に公開されました。デビューからの830日間の記録を通して見えた、彼女たちの素顔とは?
東方神起から少女時代、NCTまで数多くの人気アイドルを生み出してきたSMエンタテインメントから2020年にデビューし、斬新なコンセプトとパフォーマンスで瞬く間にトップクラスの人気グループになったaespa。韓国出身のKARINAとWINTER、東京育ちで韓国とのマルチレイシャルなGISELLE、中国出身のNINGNINGの個性豊かな4人組です。
“アバターXエクスペリエンス(Avatar X Experience)”を表現した“æ”と、“両面”を表す“aspect”の2つの言葉を結合したグループ名のとおり、メンバーそれぞれに仮想世界での分身であるアバターが存在。「自分のもう一人の自我であるアバターに出会い、新しい世界を経験する」というコンセプトをベースに、アバターである“ae-aespa(アイ-エスパ)”と“SYNK”してつながる、という世界観を持っています。K-POP×メタバースというコンセプトはデビュー当時から斬新でしたが、デビューから4年たった現在でもaespaならではの唯一無二のカラーと言えるでしょう。
今、世界中のMZ世代(ミレニアル世代とZ世代)で流行しつつある“Y3K(Year3000を意味する近未来的な世界観)”的な感性も、一歩先にリードしていました。デビュー曲の「Black Mamba」から強烈なインパクトを与え、3曲目にリリースした「Next Level」は韓国主要音源チャートでロングランヒットしただけではなく、独特な振り付けがネットミームのような流行を見せたりも。デビューEP「Savage」は、ガールズグループのデビュー盤としては、初週の売上枚数が当時の歴代1位となりました。2枚目の「Girls」では142万枚とミリオンを超える初動枚数を記録し、アメリカBillboardのアルバムチャートである「Billboard 200」の3位にランクイン。3枚目のEP「My World」は当時のガールズグループの初日売上枚数で歴代1位という記録を打ち立てました。
そんな、いまやK-POP界のトップランナーの1組となったaespaの、デビューからの830日間を記録した映画「aespa: MY First page」が全国公開されました。
「aespa: MY First page」は、デビュー時、アメリカ単独公演、国連でのスピーチ、初ワールドツアーの韓国公演といったaespaの“初めて”を、パフォーマンス映像とともに捉えたaespa初のドキュメンタリー映画です。
メンバーたち自身のコメントを交えながら、デビューからの時系列順にaespaの歴史を振り返る構成になっており、名前やパフォーマンスしか知らないけれどもっとグループのことを知りたいという人はもちろん、デビューからグループを見守ってきたファンにとっては“あのときの裏側”を新たに知って思い出すことができるような、いろいろな人が楽しみやすい内容になっています。
「aespa: MY First page」ポスタービジュアル (c)2024 SM ENTERTAINMENT CO.,LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
特に、aespaがデビューした2020年はコロナ禍の真っ只中だったこともあり、デビューしてすぐに注目度と人気は獲得していたものの、なかなか直接ファンと会うことができない状況が続きました。無観客や配信でライブをしたり音楽番組やチャートで1位になったりしても、「MVを撮影しているような感じ」「達成感はあったけど、幸せや楽しいという感じではなかった」というメンバーのコメントはリアリティーがあります。だからこそ、初めての有観客での単独公演となったアメリカでのショーケースや、ソウルでの初めてのコンサートで見せた姿は胸に迫るものが。
「aespa: MY First page」場面写真 ©2024 SM ENTERTAINMENT CO.,LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
とはいえウェットになりすぎることはなく、「自分で乗り越えるしかないことだけど」と言いながらも、特に大変だった時期にメンバー同士で気持ちをシェアして支え合う姿は爽やかで、同時にプロ意識も感じられました。ステージや練習の合間に垣間見えるバックステージでのメンバーの姿は、慎重だったり無邪気だったり、辛抱強かったりプライドに満ちていたりという“リアルな生身の人間らしさ”があって、コンセプト的に非現実的でクールなイメージを表現することが多いステージ上の姿とのギャップも、見る人がグッとくるポイントかもしれません。
初めての有観客での「SMTOWN LIVE」公演や、たくさんのSMエンタテインメントの先輩アーティストが応援に来た1stコンサートのバックステージなど、SMエンタテインメントを“事務所推し”している人には特に楽しめそうな場面もありました。
さらにバックステージだけではなく、デビュー曲の「Black Mamba」に始まるさまざまな楽曲を、多彩なパフォーマンスで見ることができるのも、この映画のもう一つの魅力でもあります。同じ楽曲の違う時期、舞台、衣装でのパフォーマンスをマッシュアップして見せても違和感がないのは、ハードな練習量に裏打ちされた再現力のあるK-POPグループならではの魅せ方かもしれません。
映画のクライマックスは、やはり1stコンサートである「2023 aespa 1st Concert 'SYNK:HYPER LINE'」ソウル公演でしょう。筆者は代々木体育館での日本公演を見に行きましたが、アバターや非現実的な演出が織り交ぜられた没入感のある世界観や、aespaならではの堂々としたパフォーマンスはもちろん、MCのときに見せる等身大な姿とのギャップが魅力的で印象に残っています。ソロステージではいつもとは少し違うパフォーマンスを見せてくれたメンバーもいましたが、それぞれのメンバーがどんな思いで準備をしたのかを知ることができ、映画を見ながらライブのときに感じた気持ちを思い出す場面が多々ありました。
「aespa: MY First page」場面写真 (c)2024 SM ENTERTAINMENT CO.,LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
映画は2023年2月の1stコンサートで締めくくられますが、彼女たちはその後も2枚のEP「My World」「Drama」をリリースし、今年5月に発表した1stフルアルバム「Armageddon」の収録曲「Supernova」は、リリースから2カ月以上経った現在でも韓国の主要音楽チャートで首位をキープし続けています。7月3日にはオリジナルシングル「Hot Mess」で日本デビューも果たし、現在開催中のワールドツアー「2024 aespa LIVE TOUR - SYNK: PARALLEL LINE」では度目の東京ドーム単独公演を成功させました。
映画の中ではメンバーが「まだ私たちの最大値を見せていない」「4人なら自信がある」と語る場面が何回か出てきますが、この言葉のどおり、aespaが目指す“Next Level”はまだまだ続いていきそうです。
文:DJ泡沫
©2024 SM ENTERTAINMENT CO.,LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
2024年8月30日(金)公開
※3週間限定上映
出演
KARINA(カリナ) / GISELLE(ジゼル) / WINTER(ウィンター) / NINGNIN(ニンニン)
スタッフ
監督:キム・ジソン、チョ・ヒョンジョン
配給:日活/KDDI
©2024 SM ENTERTAINMENT CO.,LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
53
この記事はいかがでしたか?
1記事10回までリアクションできます
RECOMMENDED TAGS
REAL TIME RANKING
CHEER RANKING