2025年03月10日 18時09分
レポート
2025年03月10日 18時09分
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映画「35年目のラブレター」で主人公を演じる二人。左から重岡大毅、笑福亭鶴瓶。
映画「35年目のラブレター」の公開記念舞台挨拶が3月8日に東京・丸の内TOEIにて開催されました。本作は、戦時中に生まれ、読み書きができないまま大人になった主人公・西畑保が、定年退職を機に最愛の妻・皎子へのラブレターを書くために奮闘する姿を描いた、実話をもとにした物語です。
舞台挨拶には、西畑保役の笑福亭鶴瓶、妻・皎子役の原田知世、若かりし頃の保役の重岡大毅(WEST.)、若かりし頃の皎子役の上白石萌音、主題歌「ずっと作りかけのラブソング」を担当した秦基博、そして塚本監督が登壇しました。
冒頭、独演会を終えた直後に会場入りした鶴瓶が「もともとこんな声じゃないんですけど、ごめんなさいね」とかすれた声で謝ると、重岡は「(普段から)こんな声のような気がします」とツッコミを入れ、仲睦まじい様子を見せます。そんな雰囲気の中、鶴瓶は「いい映画に出させていただいたという実感がありますので、1回2回だけでなく、3回4回と見に来ていただきたいです」とアピール。原田は「こんなすてきな作品に参加させていただいたことを本当に心から幸せに思っています」と喜びを語りました。
この舞台挨拶の模様が329館でライブビューイング中継されていると聞いた重岡は驚きの表情を見せ、「329館のライブビューイングの皆さんもありがとうございます。たくさんの方に見て欲しいなと思っている作品です」とコメント。上白石は「キャストみんなで集まった時のほっこり感がすごく大好きなので(しばらく会えなくなるのが)寂しいですが、誰よりも寂しいのは知世さんに会えなくなる鶴瓶さんじゃないかなと思います」と鶴瓶のことを心配。笑い出す重岡に、鶴瓶は「お前はあっち(舞台袖)にいるときからずっとうるさいねん!」とツッコミを入れていました。
本映画の制作に至ったきっかけは、監督の奥さんがテレビで西畑保さんを紹介するニュースを見て感銘を受けたことだったそうで、「今日は(客席に)家族が来ております。撮影中もエキストラで出ていましたけど、うちの妻と娘たちに『いつもありがとうさん』と言いたいです」と監督は劇中に出てくる言葉で感謝を伝えました。
撮影現場でのエピソードを聞かれると、鶴瓶は「俺、途中うとうとして寝たんです。(それを見たスタッフが)『今鶴瓶さん寝てます』と言ったら、監督が『寝てていいんだよ! 鶴瓶さんも寝るんだよ! 寝るから鶴瓶さんなんだよ!』と言っていて、意味が分からなかった」と回顧。すると塚本監督は「大らかな鶴瓶さんらしくていいなと思いました。寝ているカットも映画の中に入っています」と打ち明け、会場からは驚きの声が上がっていました。
上白石が「西畑保さんは実は映画にもご出演されていて、鶴瓶さんに似てらっしゃいますよね」と話すと、鶴瓶は「似てると言われますわ。撮影中によく俺にしゃべりかけはるんですよ。“俺”に“俺”が(笑)。それとシゲのファンには悪いんですけど、シゲもだんだん俺に似てきている」とニッコリ。重岡は「めっちゃ言われます!うれしいですけど、何かどこか複雑なんです。何ででしょう……?」と笑いを誘います。そんなやり取りを見ていた原田は「二人とも人を幸せにする笑顔ですよね」と伝え、上白石も「本当にそう思います」と共感。鶴瓶は照れた様子で「ありがとうさん」と伝え、重岡も笑顔を見せました。
また、劇中のセリフについて監督は「すごく自然なお芝居で『これ全部アドリブですか?』という感想がありました。台本に書かれていることをやっていただいていますが、 2箇所だけアドリブがあります」と告白。それは、嫌いなものの好きなところを3つ言うシーンだそうで、鶴瓶と重岡がそれぞれ現場でセリフを考えたという。重岡は「鶴瓶さんが先に撮られて、僕はその後の撮影だったからすごくハードルが上がっていたんです。手が震えました」と緊張の瞬間を振り返りました。
夫婦役の鶴瓶と原田は、本作でほぼ初対面。夫婦役を演じる上で「本当に夫婦に見える感じが一番大事だと思った」と鶴瓶は語ります。一方の原田は「初日から自然に横にいられて、すごく自分がリラックスしていて驚きました。皎子さんは保さんに出会ったことで、とにかく力になってあげたいという気持ちが自然と沸き上がってきて、それが愛になっていくのかなと思いました。私も鶴瓶さんの隣にいて、ただ見つめてそばにいることが一番大事だと思いましたし、鶴瓶さんに対して何かできることはないかなと思う自分がいました」と劇中の皎子と気持ちがリンクしたことを明かしました。 若かりし頃の皎子を演じた上白石も、原田に共感。「(重岡演じる保の)呼吸を感じて、隣にいるだけで皎子さんになれた。台本に書かれてあることが、文字じゃなくて本当に心の底から出てくるようになったので、それは本当にシゲちゃんのおかげだなと思います。ありがとうさん」と感謝を伝え、重岡は「照れるね」とはにかんでいました。続けて上白石は「(重岡が)隣で毎日ガッツを燃やして、西畑保さんの人生を全身にインストールして頑張る姿を常に見ていて、何かできることがないか、どうしたらこの人のためになれるのかと常に考え続けた時間でした」と振り返り、重岡は「どうしても照れちゃうんだよな(笑)。ありがとう」とニッコリ。
エンドロールで流れる主題歌に、監督から「泣けました」と絶賛された秦は、台本を読んでから曲作りを行ったという。「ラブレターを書くことは、文字が書ける書けない以前に、心にあるものを形にすることが難しいと思っています。自分も心にある何とも言えないものをどうやって歌にしようかと思って作っているんですけど、きっとラブレターを書くってことも同じことなのかなと思ったときに、この曲になりました」と制作秘話を明かします。そんな秦の思いを聞いた重岡は「(舞台上の)後ろのパネルにもたくさんの言葉がありますけど、みんなどうやったらこの思いが伝わるだろう? どれがこの感情にぴったりだろう? って一生懸命考えてる。それこそが尊くて美しいなって思います。その尊さを曲に落とし込んで、映画にぴったりな楽曲になっていてかっこいいなと思いました」と感想を伝えました。
重岡は、劇中で伝えたいメッセージに心惹かれたそうで、「『何歳になってもやり始めることに遅いことはない』っていうものは、僕も信じているつもりですが、やりたかったことに対して『また今度でいいか』と自分でごまかしていたこともあるなと。チャレンジするのはすごく力がいることだし、もし途中で投げ出してしまったら惨めな気持ちになってしまう。でも西畑保さんという人物を通じて、その先にある何かを一緒に見つけに行こうという感覚で映画に参加させていただき、本当にこの作品に出合えて良かったと思いました」とあらためて感謝を述べます。鶴瓶は「僕は52歳から落語を始めたんです。自分がそういうスイッチを入れたら、50歳過ぎからでもやれるんですよね。皆さんもぜひ何か始めていただきたいです」と自身のチャレンジについて話しました。最後に「もう一回『ありがとうさん』って言って」と原田と上白石におねだりし、二人から言われた「ありがとうさん」に満面の笑みを浮かべるなど、終始和気あいあいとした雰囲気の中、舞台挨拶は幕を閉じました。
取材・文:水沢あすみ
撮影:古賀良郎
2025年3月7日(金)全国公開
出演
笑福亭鶴瓶 / 原田知世 / 重岡大毅 / 上白石萌音 / 徳永えり / ぎぃ子 / 辻本祐樹 / 本多力 / 江口のりこ / 瀬戸琴楓 / 白鳥晴都 / くわばたりえ / 笹野高史 / 安田顕
スタッフ
監督・脚本:塚本連平
主題歌:秦基博『ずっと作りかけのラブソング』(UNIVERSAL MUSIC / AUGUSTA RECORDS)
配給:東映
©2025「35年目のラブレター」製作委員会
「35年目のラブレター」ポスター
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