2025年03月11日 18時12分
NHK土曜ドラマ「地震のあとで」追加キャストに堤真一、井川遥、錦戸亮、のん

NHK土曜ドラマ「地震のあとで」の追加キャストが明らかに!
4月5日より放送を開始する、村上春樹の連作短編を原作にしたNHK土曜ドラマ「地震のあとで」の追加キャストとして、堤真一、井川遥、錦戸亮、のんの出演が発表されました。本作は阪神淡路大震災後の30年を4つの物語で描いており、岡田将生、鳴海唯、渡辺大知、佐藤浩市が各話の主人公を務めます。
第2話「アイロンのある風景」に出演する堤が演じるのは、阪神淡路大震災が起こる前まで神戸に住んでいた画家・三宅。焚き火を通して親しくなった鳴海演じる順子に、神戸にいた過去を明かします。井川は第3話「神の子どもたちはみな踊る」にて、新興宗教に入れ込み、渡辺演じる息子・善也を動揺させる母親を演じます。
第4話「続・かえるくん、東京を救う」では、佐藤演じる片桐の前に現れる謎の男を錦戸が演じます。また、30年前に片桐と共に東京を地震から救ったと話す、巨大なかえる姿の“かえるくん”の声をのんが務めます。
ドラマ公式サイトでは予告動画が公開されています。今回の出演を受けて堤、井川、のんのほか、制作統括・山本晃久と演出・井上剛からもコメントが届きました。
堤真一コメント
僕は西宮出身なのですが、阪神・淡路大震災の当時は東京にいて、遠くから被災する故郷を眺めるという経験をしています。幸い実家は大きな被害はなかったのですが、亡くなられた人、また大切な人を失ってしまった方々のことを考えると、家族ができた今だからか、以前よりも一層、とてつもないことだっただろう、と怖さを感じています。僕は実際に焚き火が大好きなんですが、今回、被災し家族を失ってしまった心の傷を抱えつつ、それでも少しでも前に進みたいという気持ちを焚き火の炎に託して演じました。
井川遥コメント
地下鉄サリン事件が起きたとき私は学生で電車通学でした。
東日本大震災が発生した時、わが子はまだ1 歳で毎日飛び交う情報に惑わされ、自分を見失いそうになっていました。
身近な人たち、大切な人、当たり前だと思っていた日常が、一瞬で崩れ去ってしまうことを私達は知ってしまった。
人はいくつもの後悔の積み重ねで生きていて、トラウマや呪縛、整理のつかない感情を抱えている。
私の演じた母親も信じることで自分を生かしているのではないかと思いました。
のんコメント
阪神淡路大震災が起こった日私は兵庫県にいましたが、その時は一歳で当時の記憶というのは残っていません。ですが、様々な災害が起こる日本でこの作品が誕生すること、井上監督のこの作品に声の演技で参加できることに、使命感を抱きました。村上春樹さんの原作をリスペクトしながら 2025 年に置き換えた「続、かえるくん」画面を通して佐藤浩市さんと演技を交わしているような気分になれて特別な時間でした。何か観念的なもの、意識の奥に疑問やテーマを投げかけるような作品です。たくさんの人に、様々な感じ方をしていただけたらと思います。
山本晃久コメント
30年前、ぼくは中学二年生で西宮市に住んでいました。真冬の朝方のあの揺れの激しさを、今でも鮮明に覚えています。あの時から自分の足元はずっと揺れ続けていたように思います。時折、自分たちの立つ地面がとても頼りない危ういものではないかとおののくことがあり、そして真夜中などに、自分の足に血が通っていることをたしかめて安心することさえあります。
村上春樹さんが30年近く前に書かれた短い4つの物語を今映像化することは、30年前とこれまでに起こった天災の犠牲者への哀悼の意を表するものであると同時に、その揺らぎを捉えようという試みだったのかもしれません。井上剛監督の元、素晴らしいキャスト・スタッフと挑みました。どれもが心を揺さぶられる不思議な物語です。ぜひご覧ください。
最後に、14年前の今日、多くの犠牲者を出した東日本大震災が起こりました。被災者の方々にお見舞いを申し上げると共に、犠牲となった方々には改めてお悔やみを申し上げます。このドラマは阪神淡路大震災だけではなく、この30年の間に天災人災で亡くなった方々への哀悼を込めています。この祈りが多くの方々と共鳴するものであってほしいと願っています。
井上剛コメント
以前、阪神淡路大震災を題材にテレビドラマを作った際、僕は震災を体験していない〈部外者〉でした。そんな自分に原作『神の子どもたちはみな踊る』は物事を考える指針でした。「地震に遭った人の数だけ震災はある、当事者だけでなくそこから遠く離れた場所にも震災の傷はある」と諭されました。しかしあの地震から30年、今や天変地異や災厄、だけでなく不穏な暴力が横たわる日常に誰もが「部外者」ではなくなりました。そんな時代に改めてこの原作の持つ力を映像化したいと山本 晃久制作統括はじめ キャスト・スタッフ、仲間とともに試行錯誤しました。奇しくも本日、東日本大震災から 14 年目を迎えます。被災者の方々にお見舞いを申し上げると共に、このドラマが、この国の地面の上に生きるひとたちが少なからず持つ不安や祈りのようなものに少しでも共振し、共感しうるものであったら嬉しいです。
土曜ドラマ「地震のあとで」(NHK総合)
2025年4月5日(土)スタート 毎週(土)22:00~22:45
※全4話
出演
岡田将生 / 橋本愛 / 唐田えりか / 北香那 / 泉澤祐希 / 吹越満 / 鳴海唯 / 黒崎煌代 /堤真一 / 渡辺大知 / 渋川清彦 / 黒川想矢 / 木竜麻生 / 井川遥 / 佐藤浩市 / 錦戸亮 / 津田寛治 / のん(声) ほか
スタッフ
原作:村上春樹 「神の子どもたちはみな踊る」より
脚本:大江崇允
音楽:大友良英
制作統括:山本晃久 / 樋口俊一 / 京田光広
プロデューサー:訓覇圭 / 中川聡子
演出:井上剛