2024年11月05日 08時00分
インタビュー
2024年11月05日 08時00分
インタビュー
「インフォーマ -闇を生きる獣たち-」で木原慶次郎と三島寛治を演じる、桐谷健太さんと佐野玲於さん
──そのように色合いが違っていても、桐谷さん=木原慶次郎と相対することで三島寛治に戻れたという感覚だったのでしょうか?
佐野 何でしょうね……どことなく三島が自分の中に染み付いている感覚もありましたし、前作を撮っている段階では「やみけも」の制作が決まっていたわけではなかったんですけど、スタッフさんも健太さんをはじめとするキャストの皆さんも、「またやりたいよね〜。っていうか、やるでしょ!?」みたいに、続編への根拠のない謎の自信があったりして(笑)、終わってからもちょこちょこと集まっていたりしたんですよ。
そこでも「またやりたいよね」って話をしていたんですけど、本当に企画・プロデュースの藤井(道人)さんたちが動いていらっしゃって、「続編、決まりました!」って。「えぇっ、そうなんですね!?」なんて驚いていたら、健太さんからも電話が来て「これはもう祭りが始まるな〜」なんて木原みたいなことを言うわけです。そこから30分ぐらい「東南アジアにロケへ行ったら、どのくらい帰ってこられないんだろうな?」「1カ月ぐらい行くんじゃないですかね?」みたいに、どんどん妄想とワクワクが膨らんでいくっていう。
また、総監督の逢坂元さんをはじめ、スタッフさんも皆さんノリが若いんですよ。それもあって、共通認識というかシナジーみたいなものが生まれやすくて、やればやるほど「いけるっしょ!」みたいに信頼関係が深まっていって。そういう空気が「インフォーマ」という作品の現場にはあったので、僕も自然と三島に戻れたのかなと思います。
──タイの明るい空の下で再び木原と三島として相まみえてみて、率直にいかがでしたか?
桐谷 木原も三島もお互いに成長も変化もしているんですけど、立場とか感覚は変わっていないんですよ。そうやって……単純に「木原って、こういうキャラクターです」と言い切れるんじゃなくて、それぞれに2年の時間を経ているのを表現できた感覚があって……そこが面白かったですね。
実際、木原ってポンコツ(※木原は劇中で三島をそう呼ぶ)のことがめちゃくちゃ好きなんでしょうね。木原自身は濃く熱く煮えたぎるように生きていたいと意識的にも無意識的にも渇望してるんです。「やみけも」でも事件に関わっていく中で「祭りが始まりよったぞ」と言うんですけど、その感覚をポンコツ=三島も共有していると思っていて、「お前もそうだろ?」と同意を前提にして動いていたりもするのかなって。「巻き込まれて怒っているように見えるけど、実はお前もこういうふうに生きたいんだろ?」って、シンパシーを抱いていると言いますか。
そんな木原がものすごく葛藤していく姿も後半では描かれているので、そこにも注目していただけたらと思います。
佐野 僕は……率直に言うと、本当に楽しかったです! とにかく楽しかったという感情が第一にあって。前回も撮影が終わってロスったんですよ、「あ……寂しいな」って。そこからの待望の「やみけも」だったので、久しぶりに「インフォーマ」の世界に帰って来た感がありました。
それに、スタッフさんもほとんど前作から顔ぶれが変わっていなかったのもあって、まさしく里帰りじゃないですけど、戻ってきた感が大きかったです。それだけに、また終わりが見えてくるとどんどん寂しさが増していくっていう……。
──ちなみにクランクアップのときは、どんな心境だったんでしょう?
佐野 クランクアップは日本パートの撮影だったんですけど、撮り順的に健太さんとは別々になってしまったんですよ。だから、なおさら「あぁ、終わっちゃったな……」っていう寂しさが込み上げてきて。そもそも、タイから日本に帰ってくる段階で“半ベソ・その1”でしたし、東京で“半べそ・その2”を迎えるっていう(笑)。本当にタイロケが終わっちゃうのが嫌で、「早くタイに戻りたい」って逆ホームシックになっていましたから。
桐谷 「なんで日本に帰らなきゃいけないんだよ〜」って?(笑)。
佐野 ホント、僕それ言ってましたからね。ただ、(タイの街中を流れている)川に入るっていうシーンを撮ったとき、地元の人たちに「クレイジーだ」って言われましたけど。
桐谷 「バッド(モードに)入った」って言うとったもんな(笑)。
佐野 言いました。撮影の前日に川を見た段階でバッド入ってましたから……。
桐谷 玲於には悪いけど、“バッド入る”っていうフレーズが既にオモロいねん(笑)。
でも、スタッフさんの中にも「全部タイで撮ろうぜ!」とか言い出す人がいたぐらい、みんなタイにハマっていたんです。「そしたらタイ・マフィアのボスを何人も出さなあかんやろ、みたいな話になってくるんと違う!?」なんて冗談で言ったりして。
木原とポンコツがタイへ行くっていう展開も、前作が終わった後のタイミングで玲於のラジオ番組に呼んでもらったときに僕が妄想で話したことが「やみけも」で採用されていて。そんなふうに今回も、撮影の終盤に差しかかったときに「また次もやりたいよね。今度はこういう設定で」みたいに、またアイデアがどんどん出てきたんです。
そこまでワクワクできて、進化も変化もできるところが「インフォーマ」の面白さであり魅力でもあるのかなと、個人的に強く感じられました。
──極端な話、木原と三島がいて事件が起これば、「インフォーマ」が成立するっていう……。
桐谷 情報を巡る話であれば、「インフォーマ・スペース」とか言って宇宙を舞台にした話でも成立しそうですからね。「おい、ポンコツ〜、ちゃんと宇宙船操縦せえや!」とか言っちゃって。全然、雰囲気違う作品になりそうですけど(笑)。
佐野 宇宙でも「早よせえ〜や〜!」って言われちゃうんですか、僕(笑)。
桐谷 そういう妄想話をしているだけで楽しいんです。「やみけも」の次があるのかどうなのかは分からないですけど、木原としてはまたポンコツたちと会いたいなと思っています。
──次もお会いできるように願いつつ……最後に“推し活するあなたを推すメディア=推し楽”にちなんで、お二人の“推し”を教えてください。
佐野 チョコプラ(チョコレートプラネット)さんがYouTubeに上げていらっしゃる「自慢師たち」という動画が、めちゃくちゃ面白くて。松尾(駿)さんと長田(庄平)さんがひたすら自慢をし合うだけなんですけど、誤解を恐れずに言うと本っ当にくだらないんですよ(笑)。でも、そういうことを真剣にやってネタにまで昇華できるのが、すてきだなと思います。
桐谷 僕はちょっとのすき間時間にも“寝ること”を推します。ちょっとの間、目をつぶるだけでも……いったんボーッとするだけでも全然、世界が変わるんですよ。僕自身、たとえば今日のように1日ずっと撮影とインタビューが続く日も、要所要所で目を閉じるようにしていて。そうすることで取材になると自然とスイッチが入って、本番モードの自分になってくれるんです。“寝る”、おすすめです!
取材・文:平田真人
撮影:須田卓馬
(C)AbemaTV,Inc.
2024年11月7日(木)スタート 毎週(木)23:00~
政治、経済、芸能、裏社会にいたるまであらゆる情報に精通し、社会を裏で操る謎の情報屋“インフォーマ”・木原慶次郎(桐谷健太)。ペンで権力に立ち向かうという信念を持つ週刊タイムズ記者・三島寛治(佐野玲於)。この異色コンビが、警察・ヤクザ・裏社会の面々を巻き込みながら、事件の裏にうごめく“巨悪”を暴く!「INFORMA」新シリーズがABEMAオリジナルドラマに登場!!
今回の舞台はタイ・バンコク。世間を騒がせている〈闇バイト殺人事件〉をきっかけに、木原と三島が日本とタイの2国に跨る、壮大な情報戦に巻き込まれていく――。
出演
木原慶次郎:桐谷健太
三島寛治:佐野玲於(GENERATIONS)
広瀬:莉子
鬼塚拓真:池内博之
高野龍之介:二宮和也
and more!
スタッフ
原作・監修:沖田臥竜「INFORMAⅡ -Hit and Away-」(サイゾー文芸部)
企画・プロデュース:藤井道人
総監督:逢坂元
監督:林田浩川 / 川井隼人
脚本:酒井雅秋 / 澤口明宏
制作プロダクション:Lat-Lon
©️AbemaTV,Inc.
1980年2月4日生まれ。大阪府出身。ドラマ「九龍で会いましょう」(’02年)で俳優デビュー、2007年には「GROW 愚郎」で映画初主演を果たす。近作はドラマ「ケイジとケンジ」シリーズ、「俺の家の話」(’21年)「インビジブル」(’22年)、映画「ミラクルシティコザ」「ラーゲリより愛を込めて」(ともに’22年)「アナログ」(’23年)など。
1996年1月8日生まれ。東京都出身。2012年にGENERATIONSパフォーマーとしてメジャーデビュー。俳優としても積極的に活動しており、主な出演作にドラマ「隠蔽捜査」「GTO」(共に’14年)「インフォーマ」(’23年)、映画「虹色デイズ」「ハナレイ・ベイ」(’18年)などがある。
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