2024年11月15日 00時00分
インタビュー
2024年11月15日 00時00分
インタビュー
(左から)映画「他人は地獄だ」でW主演を務める八村倫太郎さん、栁俊太郎さん。インタビュー中は和やかなお二人でした
8カ国語で配信され、世界で大ヒットしている韓国発Webコミックを原作とした映画「他人は地獄だ」が11月15日より公開。シェアハウスを中心に繰り広げられる、人間の闇をあぶり出す本作でW主演を務めるユウ役・八村倫太郎さん、キリシマ役・栁俊太郎さんに、撮影の裏話や“他人”との関わり方についてお話を伺いました。
――韓国発の漫画を日本に完全ローカライズした今作ですが、最初に台本を読んだときの感想を教えてください。
八村倫太郎 僕は原作の漫画を読んだことがあったんです。怖くて途中で読むのをやめちゃうくらい、強烈な印象が残る作品だったのでよく覚えていました。だからこそ、今回主演のお話を聞いたときは自分にできるのか不安もあったんですよね。
でも、台本を読んでみたらすごく面白くて! もちろん原作どおりグロテスクなシーンもあって、自分がまだ演技で経験したことのないような描写が多くあったんですけど、そこはもういろんな人に助けてもらおうと思いました(笑)。ただ、この物語は地方から上京してシェアハウスにやってきたユウが一番観客に近い存在だから、僕自身は見る人が感情移入してもらえるように作っていこうと意識しましたね。
――栁さんはいかがですか?
栁俊太郎 漫画は読んでいなかったんですけど、韓国の実写ドラマを見ていました。だからとても楽しみでしたね。ただ、ドラマの場合は長い尺の中で話をまとめていたので、一本の映画としてどうまとめるのか気になっていたんです。でも、台本を読んだらいいまとまり方をしていて、これは面白い作品になるなと思いました。
キリシマという役はシェアハウスの住人たちのリーダー的存在でありながら、得体の知れない存在でもあるので、自分のイメージでいくらでも作れる役でしたね。探りながら役作りしていきましたが、考えすぎると逆に人間味が出てしまったりするので、そのバランスが難しかったです。
――八村さんはユウを演じてみていかがでしたか?
八村 僕はこの作品に対してすごく距離感があるなと思ってたんです。というのも、怖いのが苦手なので、こういう作品にはあまり触れてこなくて(笑)。でも、そういう自分が演じることに意味があるのかなと思いました。監督にも「八村くんは普通でいい。そのままでいいよ」と言われたんです。無理に近づこうとしなかったことが、ユウをシェアハウスやオフィスの人たちとは異なる存在にさせてくれて、ユウをユウたらしめたのかなと今では思っています。
栁 僕は役作りとして、いつも「どういう生い立ちや育ち方でこの人間ができたんだろう?」と演じる人のバックグラウンドや奥行きを探る作業をしているんですけど、今回はそのバックグラウンドが見えない役だったので、単純に見ただけで怖がらせられる、不気味に思わせるっていう表面的なホラーの役割を考えていました。人間的な追求より、嫌な夢を見て起きたときの、あの気持ち悪さをキリシマから感じてほしいと思って作り上げていきました。
――真っ黒な栁さんの目が印象的でしたが、あれは黒のカラコンを入れていたんですか?
栁 そうですね。最初はやりすぎかなと思ったりもしたんですよ。でも、ギリギリ人間に見えるかどうかの瀬戸際を攻めていきました。韓国のドラマではわりと普通の人間の姿でやっているんですよ。でも、映画は時間が短いから人間的な怖さをそこまで表現できないんじゃないかなと感じていたので、見た目は原作に寄せたほうが面白いんじゃないかと監督に現場で伝えたら、監督も賛成してくれましたね。
――アップで映るシーンは瞳に光がなくてとても怖かったです。
栁 本当ですか? 現場ではみんな毎日見ているから見慣れてきて、途中から「キリシマかわいい!」という人も出てきたので不安になっていました。
八村 いや、あれはかわいくないですよ(笑)!
栁 僕も映像を見て「全然かわいくないよな?」と思っていたよ。でも、メイクさんはどんどん愛着が湧いてきたらしくて……。
八村 あ~、愛着ね(笑)。
――ショッキングなシーンも多い作品ですが、撮影している裏側はどんな雰囲気でしたか?
八村 こういう作品を撮っているとは思えないくらい、明るくて楽しかったです。
栁 ちょっと部活っぽかったね。
八村 うんうん。僕、あの空気感好きでしたね。本当にめちゃくちゃしゃべっていましたからね。シェアハウスの住人であるゴロー(星耕介)とマル(鈴木武)がケンカするシーンがあるんですけど、そこはユウにとってターニングポイントになるので、僕にとって大切なシーンだったんです。でも、撮影の合間は普通にしゃべっていて、なんなら相談に乗ってもらったりもしていたんですよ。そういう“切り替えるところは切り替えてやる”という感じはすごく助かりました。
――栁さんは現場ではどう過ごされていましたか?
栁 俺は普段どおりというか……。
八村 マジで変わんないです。2人でいてもこうですし、取材の日でもこうなんだって今思っています(笑)。だから、撮影のときも一緒にいてすごく楽でした。
栁 倫ちゃんも場を回してくれて超いいヤツだし、面白い人も多かったんですよ。ゴロー役の星さんに「なんでそんなに細いんですか?」って言ったら、「僕、野菜が大好きで……」っていうから、「あ、好きな食べ物、野菜なんですか?」って聞いたら「そば」って答えが返ってきました(笑)。
八村 マル役の武さんもザ・いいお兄ちゃんって感じでした。
栁 ストリート系だよね。
八村 うん。なのに演技ではあんな奇声を上げてますからね(笑)。
栁 そうそうそう(笑)。普段どんな人か知っているから、マルとゴローを見ると笑っちゃうんですよ。
八村 素と違うからね。
――お二人はお互い共演する前と後でイメージが変わりましたか?
八村 (栁へ向けて)まず、先に言っておきます。いじってないですからね!
栁 ?
八村 僕は雑誌やテレビで見ていた憧れの存在だったので、今回の話を聞いて「マジか! 栁俊太郎? えー!」って感じでした。役柄的にユウとキリシマは全然タイプも違うし、仲がいい役ではないから、一緒にいい作品を作るためには距離を置いたほうがいいのかなと思ったんです。でも結局仲良くなりたいなと思って積極的に話しかけにいっちゃいました(笑)。話す前はクールな人なのかなと思ってたんですけど、全然そんなことなかったです!
栁 「そんなことなかった」っていうのはおかしい。
八村 親しみやすかったです(笑)!
――栁さんはいかがですか?
栁 “アーティスト”のイメージだったので、普段の姿って想像つかないじゃないですか。でも、会ってものの数秒で「栁さん!」ってジャンプの主人公みたいなのが話しかけてきて(笑)。真っすぐでアツいヤツだってすぐ伝わったから、そこから仲良くなるまでは早かったっすね。現場でも座長として気配りをしようとしているところや、みんなでコミュニケーションを取っていこうっていう姿が見られたので、すごくすてきな人だなって思いました。
八村 うれしいです……!
――撮影時、お二人ではどんなお話をされていましたか?
栁 声帯じゃない?
八村 ああ~!
栁 アーティストとして歌を歌っているから、どうしたらそんな高い声や低い声が出るのか聞いて、レッスンしてもらいました。
――八村さんはどんなアドバイスされたんですか?
八村 僕がボイトレの先生から教わっていることの受け売りでしかないですけどね。でも「低い声を出せるようになりたい」と言っていたので、低い声を出すときに僕が意識していることを伝えたら、その場で「お~」って低音の練習を始めていましたね(笑)。
©︎ヨンキ/LINE Digital Frontier・2024 映画「他人は地獄だ」製作委員会
2024年11月15日(金)公開
地元での生活に閉塞感を覚えて上京した青年・ユウ(八村倫太郎)は恋人・メグミ(岡田結実)のもとを訪れるが、突然の訪問に困惑した彼女とケンカになり行く当てを失ってしまう。やがて格安シェアハウス「方舟」にたどり着くと、そこには言葉遣いは丁寧だが謎の多い人物・キリシマ(栁俊太郎)をはじめとした、一癖ある住人たちが暮らしていた。入居した夜、ユウは住人同士の口論を目撃するが、翌朝になるとそのうちの一人の姿が消えていた。ユウは住人たちの不気味な言動から、彼らが新たに入居してきた者を殺しているのではないかと疑い始める――。果たして、住人たちの正体とは? 韓国の人気Webコミックを日本で実写映画化したサスペンスホラー作品。
出演
八村倫太郎 / 栁俊太郎 / 岡田結実 / 三浦健人 / 青木さやか / 大倉空人 / 鈴木武 / 星耕介/ 日比美思 / 松角洋平 / 大野泰広 / 濱津隆之/ 萩原聖人
スタッフ
監督・脚本:児玉和土
原作:『他人は地獄だ』ヨンキ(「LINEマンガ」連載)
配給:イオンエンターテイメント
企画製作:映画「他人は地獄だ」製作委員会
©︎ヨンキ/LINE Digital Frontier・2024 映画「他人は地獄だ」製作委員会
1999年7月28日生まれ。神奈川県出身。2019年にホリプロ主催「Star Boys Audition」にてダンス&ボーカルグループ・WATWINGのメンバーに選出される。2021年にドラマ「ホメられたい僕の妄想ごはん」で俳優デビューを果たし、2022年にはドラマ「君の花になる」へ出演。劇中に登場するボーイズグループ「8LOOM」のメンバー・一之瀬栄治役を演じる。また、2024年4月から「王様のブランチ」にレギュラー出演するなど、アーティスト、俳優、タレントとして幅広く活躍している。
1991年5月16日生まれ。宮城県出身。2009年に「第24回MEN’S NON-NOモデルオーディション」でグランプリを受賞しモデルとして活動を始める。2012年に映画「ヴァージン」の一編「ふかくこの性を愛すべし」で俳優デビューを果たし、映画「るろうに剣心 最終章 The Final」(’21年)、「カラダ探し」(’22年)、ドラマ「ゴールデンカムイ -北海道刺青囚人争奪編-」(’24年)などさまざまな話題作に出演。
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