2024年11月28日 18時00分
インタビュー
2024年11月28日 18時00分
インタビュー
1問1問、言葉を選び、丁寧に答えてくれた川島如恵留さん
──NEWSの加藤シゲアキさんが書かれた帯の文章について質問させてください。“人間離れした宙返りでファンを魅了するこのアイドルは、悩み、考え、葛藤し、笑顔を向けている。川島如恵留はあまりにも人間だ。”この文章がファンの間でとても話題になっていましたが、ご自身ではどう思われましたか?
僕が一番欲しかった言葉をくださったと思いました。僕はシゲくんと呼んでいるんですが、アイドルという面でも学業という面でも、また文筆家としても、シゲくんは人生の先輩で、僕の人生を何度も変えてくれた人なんです。宅建の受験もシゲくんの言葉がきっかけの1つでした。この帯は、僕が一番欲しかった──だけど自分では思いつかなかった言葉。初出版という大切な機会に、こんなにも的確に表現してもらえたことに感動しましたし、心からうれしく思いました。
──川島さんのように多才でありながらも、“人間らしくある”というのは、実は難しいことではないかと思うのですが、そのあたりはいかがですか?
僕は常に新しいものを求め続ける生き物こそが人間だと思っています。はるか昔から人間は生活が豊かになるよう模索して、火を起こすことを覚えたり、いずれ電気を発明したりして、さまざまな進化を遂げてきました。僕は「人間らしさ」を未経験や未知のことに挑戦する行為だと思っているので、その挑戦の結果、「多才」と評価していただけているなら、イコール「人間らしい」ということだと思うんです。
努力して多くの実力を得ること、自分の引き出しを増やしてゆくこと、「それがより人間らしいということではないだろうか? 人間のあるべき姿なんじゃないか?」ということを人間として、またアイドルとして伝えていきたいです。
──深いです。でも、人間らしさとアイドルというのは、一見まったく別のベクトルにも感じますね。
多くの実力や才能を持つという僕の考える「人間らしさ」と、日常生活とかけ離れた画面の中で輝く本来の「アイドル像」とを、少しずつ融合させていけたら面白いんじゃないかと思っています。それが今後、僕が目指したいアイドル像なのではないかとエッセイを書く中で思い始めたんです。
──エッセイの中で「自分自身を褒めること」=「褒め自炊」という造語がありましたが、川島さんらしくてとてもすてきでした。今回一冊書き上げた後、「褒め自炊」はされましたか?
褒め自炊として、また頑張ったご褒美として、自分の本を自分に100冊購入しました。今回4つの書店さんで、合わせて6種類のしおりを特典として付けさせてもらったんですが、これは自分でも全種類ゲットするしかない! と思って。それで4書店さんから合計で100冊購入したというわけです。今日は順に届き始めていて宅配ボックスがパンパンになりそうなので、なるべく早く帰りたいと思っています(笑)。そして帰ったら、ご褒美の一環として、ベッドにずらりと並べて写真を撮る予定です。
──2024年が終わりに近づいてきましたが、どんな年でしたか?
漢字一文字にすると、個人的には「初」。新しいことへの挑戦もできたし、そのためになすべきことも学べました。とても大変でしたが、周りのことも自分たちのこともよく見えてきた気がします。来年は、たとえば1stコンサートを2nd、3rdへとつなげていくとか、2冊目の著書を出すとか、これまで育ててきたものに数字を足していく作業をしたいですね。
──最後の質問です。推し楽は“推し活をするあなたを応援するメディア”がコンセプトなのですが、川島さんは“推し活”をされていますか?
実は携帯のケースにキャラクターのトレカを挟んでいるくらいに、僕オタクなんですよ(笑)。僕が好きなのは蛙吹 梅雨(あすい つゆ)ちゃんという、「僕のヒーローアカデミア」のキャラクターです。その子が好きで、フィギュアを5体くらいと、アクリルキーホルダーやラバーストラップなどグッズを集めて部屋に飾っています。もしコンビニくじが置いてあるのを見かけたら、思わず引いてしまっていますね。
──川島さんが街中のコンビニでくじを引かれるんですか!?
はい、「人間」ですからね(笑)。ただ梅雨ちゃんは、いわゆる激推されキャラではないので、「全○種類から一つ選べる」みたいなF賞やG賞あたりに、たまに出てくれるっていうキャラなんです。だから人気の上位賞ではなく、そのあたりを頑張って狙うくらいには推しています。
取材・文:金紗利
撮影:古谷勝
衣装協力:CONFIANCE(JOYEUX)
1994年11月22日生まれ。東京都出身。青山学院大学総合文化政策学部卒業。小学生で芸能活動を始め、子役として活躍。2012年にTravis Japanの結成メンバーとなり、2022年に「JUST DANCE!」で全世界配信デビューを果たした。2024年4月、個人のYouTubeチャンネル「のえるの隙間時間」を開設。英語が堪能なほか、宅地建物取引士、秘書検定、旅行業務取扱管理者の資格を取得するなど、アイドルという枠にとどまらず、活躍の場を広げている。
2024年11月22日発売
幻冬舎刊
ハイレベルなダンスパフォーマンスと歌声で世界を魅了するTravis Japan川島如恵留が挑んだ初のエッセイ。30歳という節目の誕生日に発売され、日常のふとした出来事から新たな発見まで、“アイドル”というフィルターを通した思いがユニークな言葉でつづられている。またTravis Japanの転機となったL.A.留学中のエピソードをコラムとして収録。約12万字全編書き下ろし、撮り下ろしフォトも満載の一冊。
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