「APT.」でBLACKPINK・ROSÉがブルーノ・マーズと見せた“普通の女の子”の顔

「私は普通のアジア人の女の子」。ROSÉが「APT.」と「rosie」に込めたメッセージ

「APT.」は、歌詞全体にも「お酒を飲んじゃって気分が盛り上がっちゃってる」と弾けるような気分があふれています。「Kissy face, kissy face Sent to your phone but, I'm trying to kiss your lips for real（キス顔をあなたのスマホに送ったけど、本当はあなたの唇にキスしたいの）」というワンフレーズからは、アルコールの勢いで恋を加速させたい気持ちが湧き立っています。

それに呼応するようにブルーノが「It's whatever it's whatever it's whatever you like（君の好きなものならなんでもいいよ）」と返しながら「Turn this Apt into a Club, I'm talking drink, dance, smoke, freak, party all night（アパートをクラブに変えて、一晩中飲んで踊ってタバコを吸って熱狂的にパーティーしよう）」と提案。女性サイドのROSÉのアッパーなテンションに男性サイドのブルーノが引っ張られているように見える点が、とてもキュートです。YouTubeではファンから「YGなら、彼女にジャンルやコンセプトの実験をここまでさせなかったと思う。彼女の一人旅に乾杯！」といったコメントが多数寄せられています。

ROSÉは自身の作詞に関して「普通の20代の女の子として、いくつかの恋愛を経験できたことには感謝しています。私はみんなに、自分が特別ではなく、普通のガールフレンドや一般の女の子と変わらないことをわかってほしい」と各所で答えているため、彼女も私と似たような経験をしていたのかも……？と思うと、妙な親近感が湧きます。「恋愛もアルコールも禁止だった練習生時代を終えた後、いつこんな時間を過ごしていたの！」というやぼな疑問はさておき。

MVも「APT.」の魅力を語るうえでは欠かせません。今年8月にブルーノが出演し日本を沸かせた、ドン・キホーテのCM「ドンキイクヨ」のような誰もがまねしたくなるダンス、ピンクの背景にドラムセットとマイクをシェアしながらはしゃぐというシンプルな構成は、曲を引き立てます。1曲のMVに何十着もの衣装を用意し、大勢のバックダンサーを連れ、壮大なCGを駆使したリッチな作品があふれる中で、「APT.」のシンプルな映像は示唆的であるようにすら見えます。

キャッチーなダンスは誰もが踊りやすく「みんなで盛り上がろうよ」という2人のメッセージが込められているのかもしれません。TikTokでは曲のリリース以降、ダンス動画が世界中から投稿されています。

そんな至極のパーティーソング「APT.」が収録されるアルバム「rosie」は、BLACKPINKの楽曲と対を成すようなはかなげなバラードや、R＆B、シンセポップなど幅広いジャンルをラインアップしているといいます。全12曲に込めた思いについて、ROSÉは「私はみんなと変わらない普通の人間であることを伝えたいです。27歳のアジア人の女の子で、髪を金髪に染めてる子を知ってる？私もたぶんそんな感じの子！」と話し、傷つきやすい20代の感情を歌にしたといいます。