2025年02月21日 17時00分
インタビュー
2025年02月21日 17時00分
インタビュー
役作りの裏話を語ってくれた井上祐貴さん
“人生で一回だけ魔法を使うことができる”と知った4人の若者たちが、人生の岐路で成長していく姿を描いた映画「僕らは人生で一回だけ魔法が使える」が2月21日より公開。今作で⽣まれつき体の弱いハルヒ役を演じる井上祐貴さんに、見どころや共演した八木勇征さん、櫻井海音さん、椿泰我(IMP.)さんとのエピソードから、ご自身の青春時代、使ってみたい“魔法”についてまで、幅広くお話を伺いました!
――今作は18歳の少年たちの成長過程に“魔法”というファンタジックな要素が合わさった青春映画ですが、井上さんはどんなところに魅力を感じましたか?
4人の男の子たちが「魔法が使える」と言われて、まずは誰もが考えるような欲望最優先の魔法を思い浮かべるんですけど、そこからの感情の変化がすごく繊細に描かれているところですね。僕としてはそこがこの映画の一番の魅力だと思いますし、それが見てくださる方に伝わったらうれしいなと思います。
――確かに、4人それぞれの悩む姿が丁寧に描かれているため、気持ちがリアルに感じられて不思議な感覚でした。井上さんが演じるハルヒは、“幼い頃から心臓が弱く病気がち”という役でしたが、役作りで工夫されたのはどんなところでしたか?
まずは、声の出し方ですね。お腹から出してはいるけど、生まれつき病気であるハルヒなりの出し方があるんじゃないかと思って。そこは監督と相談をしながら作り上げていきました。ほかにも、みんなで笑っているシーンで監督から「ちょこちょこむせてみて」と言われて、確かに必要だなと思ったんです。そうやって、僕なりにいろんなところに気をつけて演じていました。
――ハルヒは体は弱いけれど、優しくて芯のある性格という印象でした。ご自身が共感できるところはありましたか?
大切な人が笑っているのを見るのが好きなところです。誰しも持っている感情だと思いますけど、その気持ちの強さは僕も共通して持っている部分でした。ハルヒは病気を持って生まれてきたからこそ、普通の人よりその部分が強くなったんだと思います。幼少期に仲間に入れてくれたアキトたちへの思いは、他の人とは違うものを感じますから。
――作品の中では18~20歳という年齢に対して“人生で大きな選択をする時期”という話が出てきます。この作品をきっかけに、ご自身のその時期を思い出したりしましたか?
思い出しましたね~。それで、18歳から20歳くらいの自分の写真を見返したんですよ。ビジュアルだけじゃなく、中身もできるだけこの時期に戻らないといけないと思って。
――写真を見て、どうでした?
今とは違いすぎました(笑)。こんなにも落ち着いてなかったかと。でもその頃の自分の気持ちを思い出すように努力しましたね!
――ちなみに、ハルヒ達のように思春期ならではの悩みを抱えていましたか?
悩みはいろいろありました。今振り返ってみると、将来の夢が決まっていなかったのは大きかったと思います。あとは、髪を伸ばして自分の好きな髪型にしたいけど、校則が厳しくてできないとか(笑)。今では思い出せないような、ちっちゃい悩みもいっぱいあった年齢だったと思います。
――撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?
撮影が進むにつれて、キャストはもちろんですけど、スタッフの皆さんとの距離も縮まる感じがあって、すごくあたたかい現場でした。
――仲良し4人組を一緒に演じた八木さん、櫻井さん、椿さんの第一印象はいかがでしたか?
最初の印象は“全員人見知り”です(笑)。本読みの日に初めて顔を合わせたんですけど、見事にみんな人見知りで、ほとんどしゃべらなかったんですよ(笑)。僕も人見知りなので、「なんて話したらいいんだろう……。無理だ、台本見よう!」ってなってました。たぶんみんなもそうだったのかなと思います。
――うずうずしているけど、誰もしゃべりかけられないという状態ですね(笑)。
だから、4人で話すタイミングができたとき、すぐに打ち解けました。クランクイン前に、4人でのリハーサルが2回くらいあったんです。そこで一気に距離が縮まった感覚があります。休憩時間に話をするようになって、知れば知るほどみんなクールだけど話し始めたら止まらないタイプという印象でした(笑)。撮影の最後のほうはずーっとしゃべっていた気がします。
――どんなお話で盛り上がるんですか?
思い出せないくらいたわいのない話でしたよ(笑)。サウナ好きな人が何人かいたから「どこのサウナ行くの?」とか。あと、椿くんは家で料理をするらしくて、「今日帰ってこれ作ろう~!」って話をしてましたね。夜の9時くらいに撮影が終わったときに、持ち帰り用のお弁当を用意してくださっていたので、僕はそれを食べようと思っていたんです。でも椿くんは持って帰らなかったんですよ。節制してるのかなと思って聞いてみたら、「いや、家で春巻き作る!」って。「今から!? 」ってびっくりしました(笑)。そういう、特に作品や仕事には関係のない話が多かったと思います。
――学校でクラスメートと仲良くなるような自然な流れですね。
そう言われてみれば、そんな感じかもしれないですね。
――だからこそ、4人でのやりとりも昔からの仲間のようにナチュラルに見えたのだと思います。
本当ですか? それがいちばんうれしい言葉ですね! みんなでリハーサルをやった甲斐があったと思います。
――井上さんは同世代の人たちのいる現場では、みんなを引っ張っていく中心的なタイプですか?
作品やメンバーによりますね。「引っ張っていこう」とか、「引っ張っていかなきゃ」と思うときもありますし、逆に「付いていきたい」と思うときもあります。プライベートの友達グループでも、いくつかグループがあって、グループによって僕の立ち位置が違います。気付いたら中心にいるグループもあれば、誰かを中心にワイワイしてるときもあるので、ポジションは決まってないかもしれないです。
――今回共演した4人の中では誰が引っ張るタイプでしたか?
誰かが引っ張っているイメージはないかな。みんな温度感が一緒だったと思います。それぞれが自由人だったので(笑)。
――役柄的にハルヒを仲間に入れてくれた主人公・アキトを演じる八木さんとのシーンが多かったのかなと思いますが、作品について話すことはありましたか?
もちろんたくさん話したと思うんですけど……。(エピソードを思い出そうとする井上さん)あー! 八木くんにここにいてほしかった(笑)! 思い出せないけど絶対に話してるんですよ(笑)。
――演技について話し合われることが多かったですか?
ディスカッションは監督、プロデューサーさんも含めてたくさんしましたね。「ちょっとこのセリフ言いづらいよね?」「このセリフもう一個前に持ってくる?」とか、なんならセリフの担当を変えたシーンもありました。すごく密にやりとりしたと思います。
1996年6月6日生まれ。広島県出身。2017年にホリプロタレントスカウトキャラバンで審査員特別賞を受賞。2018年ブロードウェイミュージカル「ピーターパン」で俳優デビュー後、2019年ドラマ「ウルトラマンタイガ」で初主演を務める。主な出演作は映画「劇場版 ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス」(’20年)、映画「NO CALL NO LIFE」、映画「Bittersand」、映画「明け方の若者たち」(全て’21年)、NHK大河ドラマ「どうする家康」(’23年)、NHK連続テレビ小説「虎に翼」、ドラマ「マルス-ゼロの革命‐」(共に’24年)など。2025年1月期ドラマ「地獄の果てまで連れていく」に出演中。3月17日には主演ドラマNHK創作テレビドラマ大賞「明日、輝く」が放送予定、5月には舞台「マクベス」に出演予定。
2025年2月21日(金)公開
緑豊かな自然に囲まれた、とある小さな村。この村の少年たちは18歳になると“人生で一度だけ魔法が使える”と知らされる。その魔法を使えるのは20歳になるまでの2年間。この年に18歳を迎えたアキト(八木勇征)、ハルヒ(井上祐貴)、ナツキ(櫻井海音)、ユキオ(椿泰我)の4人は、話を聞いた当初は信じられずに笑い飛ばしていた。しかし、自身の父親たちもかつて魔法を使ったことを知り、その使い道を考えるための会議を開き、真剣に魔法と向き合い始める。高校を卒業してどんな人生を歩んでいくのか、それぞれの岐路に立つ4人が選んだ魔法の使い道とは――。
スタッフ
原作・脚本:鈴木おさむ
監督:木村真人
音楽:横山克
主題歌:「春舞う空に願うのは」 FANTASTICS
製作:菊池貞和 / 岡田美穂 / 鈴木収 / 関佳裕 / 櫻井克彦 / 石井正幸 / 菅井敦
企画・プロデュース:栗原美和子
プロデューサー:内海智 / 布川均 / 久松大地
撮影:田村翔
DIT:佐々木基成
照明:三浦大輔
録音:尾上啓太
美術プロデューサー:吉田敬 / 林政之
アートコーディネーター:渡邊康典 / 日下創太
スクリプター:上田悠莉
編集:阿部裕生
VFX:高岡直樹
サウンドデザイン:近藤隆史
音響効果:柴田妃菜子
助監督:小松真一
制作担当:福西良
制作:共同テレビジョン
配給:ポニーキャニオン
出演
八木勇征 / 井上祐貴 / 櫻井海音 / 椿泰我(IMP.) / カンニング竹山 / 阿部亮平 / 髙橋洋 / 馬渕英里何 / 平野宏周 / 工藤美桜 / 笹野高史 / 田辺誠一
©2025 映画「僕らは人生で一回だけ魔法が使える」製作委員会
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