2025年03月03日 17時00分
インタビュー
2025年03月03日 17時00分
インタビュー
宝塚退団10年で、待望の共演を果たす柚希礼音さん(左)と夢咲ねねさん(右)
4月1日、時代を越えた名曲と華やかなレビューシーンが魅力の名作ミュージカル「ホリデイ・イン」の日本初演が開幕します。誰もが知るホリデーソング「White Christmas」など、珠玉の楽曲で彩られたこのハッピーミュージカルには、主演の坂本昌行さんや、増田貴久さんをはじめ豪華キャストが集結。宝塚歌劇団星組で6年間トップコンビを組み、退団から10年目にして初めて役者としての共演を果たす柚希礼音さんと夢咲ねねさんのお二人が、共演に向けた心境と、今作にかける意気込みを語ってくれました。
――まず、今作「ホリデイ・イン」へのご出演が決まったときの気持ちをあらためてお聞かせください。
柚希礼音 まず台本とブロードウェイ版の映像を見させてもらって、王道のハッピーミュージカルですし、心温まる内容がすごくいいなと思いました。自分にリンダ役が務まるのか不安にもなりましたが、ねねがライラ役に決まって、とても楽しみになりました。
夢咲ねね 私も最初に台本を読ませていただいたのですけど、1940年代の古きよきアメリカンな雰囲気で、曲もすごくハッピーだし、とにかく楽しい作品なんだろうなと。そしてやっぱり私も、ちえさん(柚希)がリンダ役を演じられると聞き、すごいことだなと思いました。まさか宝塚を退団して10年目にね。
柚希 ようやく共演できるなんてね。
夢咲 はい! またちえさんとご一緒できることが、素直にうれしいと思いました。
――ブロードウェイ版の映像をご覧になった感想はいかがでしたか?
柚希 何回も見てしまうほど面白くて、気持ちがほっこりする作品でした。本当に最高のハッピーミュージカルなんですよ。日本では4月からの上演ですが、まさにホリデーシーズンにぴったりな、もう一度クリスマスが来てほしい気持ちになるような作品といいますか。
夢咲 ショー場面が多くて、私が演じるライラも歌って踊るのですが、リンダさんはさらに多いですし、場面ごとに全然色が違うんです。クラシカルなものだったり、いろんな歌やダンスのバージョンがあるので、見ていて飽きないと思います。誰も悪い人が出てこないですし、本当にひたすらハッピーなミュージカルです。
――ご自身が演じる役に対しては、どんなイメージをお持ちでしょうか。
柚希 私が演じるリンダは、ブロードウェイの舞台に立つことを夢見ていたけど、家庭の事情で田舎に帰ることになり、学校の先生をしている女性です。夢への憧れは一切捨てたと思っていたのに、坂本昌行さん演じるジムが引っ越してきてくれたおかげで、もう一度好きだった歌やダンスに触れて、才能が花開いていくのが好きなところです。無理だと思って夢を遠ざけていたけど、やっぱり好きなんだって自覚していくところに共感しますし、自立したすてきな女性になろうとしているのになりきれないところとか、すごくかわいらしい面もあるんですよ。完璧じゃない人で、そこがすてきだなと思います。
夢咲 ライラは野心にあふれていて、自分の夢のためなら何もいとわない感じがすごくかっこいいなと思います。ある意味、すごくポジティブだし、自分のマイナスなところさえもポジティブに変えていく姿は元気づけられるというか、こういう女性が友達にいたら面白いなって思いますね。本当にリンダさんとは真逆とまではいかないけど、全然違う女性かなって。
柚希 本当にそう。ライラさんはすごく面白くてかわいい女性だけど、ねねと似てるかというと違う(笑)。今まで、こういうあっけらかんとした役を演じるのを見たことはあるけど、本当のねねとはえらい違いよね。
夢咲 はい(笑)。だからそこはちょっと自分にとって挑戦になるなと思いました。
柚希 リンダもたぶん私にとっては挑戦になるよね。全然違うよね?
夢咲 でも台本から受ける印象だと、リンダさんの波長とちえさんの波長ってすごい合うんじゃないかなと思います。
柚希 今まであんまり演じたことのないタイプの役だから、この作品を通じて新たな発見があったと言えるようになりたいですね。
——主人公ジムを演じる坂本昌行さん、ジムの親友のテッドを演じる増田貴久さんとはこれから顔合わせとのことですが、これまでお二人が出演される舞台をご覧になったことは?
柚希 残念ながら私はまだないんです。おうわさはいっぱい聞くのに、舞台を見られてないんですよ。
夢咲 私は、増田さんが主演されていたミュージカル「20世紀号に乗って」は拝見しました。たまきち(※1)が出演してて見させていただいたんですけど、増田さんはコメディーもできて、歌も歌えて、踊りもできて、すごい方だと思っていました。まさか今回ご一緒できるなんて。
※1 宝塚歌劇団元月組トップスターの珠城りょうさん
柚希 本当にねぇ。勝手なイメージですが、お二人とも今回のお役にすごくぴったりだと思うので、台本はもうお二人に置き換えて読んでいます。坂本さんの誠実さや、真面目で素朴なかわいらしい部分がジムという役に出てくるだろうなと思いますし、テッド役の増田さんもお会いする前からぴったりだと感じてて、きっとすごく面白くテッドを演じられるんだろうなって想像しています。テッドとライラがそろった場面とか、想像するだけで面白すぎない?
夢咲 そうですよね。今回はじめましての増田さんとどんな反応が起こるのかわからないけれど、とても楽しみにしています。坂本さんはビジュアル撮影のときに順番が前後だったので、ちょっとだけご挨拶させていただいたのですが、そのときからもう優しくて。包みこまれるようなオーラを感じましたし、本当にジムにぴったりだなって思いました。
——そして今作はブロードウェイ版のレプリカではなく、日本初演版としてビル・ディーマー氏の新たな演出・振り付けのもと上演されるそうですね。
柚希 レプリカもすばらしいのに、私たちのためのバージョンで作り直してくださるってことがすごく楽しみです。演出・振付のビルさん、演出補・振付補のアシュリーさんにもお会いしたんですけど、そのときに「あなたはすごく踊れるらしいから、いっぱい踊らそうと思う」みたいなことおっしゃっていて(笑)。私たちに合うように、いちから振り付けをし直してくださって、曲のキーも私たち用にちょっと変更されるということだったので、もう本当に素晴らしい環境で参加させていただけることに感謝していますし、めちゃくちゃ楽しみです。
夢咲 私もビルさんにお会いしたときに、「ちょっと踊ってみよう」と言われて、その場で振りをいただいて踊ることになったんですね。途中からビルさんも一緒に踊ってくださって、2人で「Yeah! 」みたいな楽しい雰囲気になって(笑)。いろいろな経験をされてきた舞台の大先輩なのにすごく明るい方で、その方から今回いろいろと教えていただけるなんて、とても刺激を受ける光栄な機会だと思います。
6月11日生まれ。大阪府出身。1999年、85期生として宝塚歌劇団に入団。2009年に星組トップスターに就任。6年にわたりトップを努め、第30回松尾芸能賞新人賞、第65回文化庁芸術祭賞演劇部門新人賞、第37回菊田一夫演劇賞を受賞。2015年5月に退団後は、「ビリー・エリオット ~リトル・ダンサー~」('17年、'20年)、「ボディガード」('20年、'22年)、「カム フロム アウェイ」('24年)など数々のミージュカル、ソロコンサート「REON JACK」などで精力的に活躍。2025年1月には初のシャンソンアルバム「Les Nouvelles Chansons」をリリース。2025年10月~11月には、再再演となるミュージカル「マタ・ハリ」にマタ・ハリ役としての主演(Wキャスト)が決定している。
7月4日生まれ。富山県出身。2003年に89期生として宝塚歌劇団に入団。2009年に星組トップ娘役に就任。柚希礼音と共に6年にわたりトップコンビを努め、2015年5月に退団。退団後はミュージカルを中心に多数の舞台、映像作品に出演しており、主な出演作に「1789-バスティーユの恋人たち-」('16年、'18年)、「ラブ・ネバー・ダイ」('19年)、「ポーの一族」('21)、「夜来香ラプソディ」('22年)、「東京ラブストーリー」('22年)、「赤と黒」('23年)、「ファインディング・ネバーランド」('23年)、「モダン・ミリー」、「庭の見える部屋と四つの物語」(共に'24年)などがある。
主人公のジムはショー・ビジネスから引退し、コネチカットで農業を営む暮らしを決意。ところが恋人のライラは夢を諦めきれず、ジムと別れて彼の親友でパフォーマーのテッドと共にショーを続けることに。そんなときジムは才能豊かなリンダと出会い、人生が一変していく──。ジム、リンダ、テッド、ライラの4人の愛と夢が交錯する物語の行方はいかに?
本作はビング・クロスビー&フレッド・アステア主演の映画「Holiday Inn」(1942年・邦題「スウィング・ホテル」)をもとに、2014年にコネチカットで舞台化されたミュージカル作品。ハリウッドを代表する映画音楽家アーヴィング・バーリンによる「White Christmas」をはじめ、時代を超えて愛される名曲と華やかなレビューシーンが満載。演出・振付を務めるビル・ディーマーと坂本昌行は、2018年上演「TOP HAT」に続いて二度目のタッグとなる。
会場 東京都 東急シアターオーブ
2025年4月1日(火)~16日(水)
※4月7日(月)、4月14日(月)、4月15日(火)は休演日
会場:大阪府 SkyシアターMBS
2025年4月22日(火)~5月1日(木)
※4月28日(月)、4月29日(火)は休演日
スタッフ
音楽:アーヴィング・バーリン
脚本:ゴードン・グリーンバーグ、チャド・ホッジ
演出・振付:ビル・ディーマー
演出補・振付補:アシュリー・グラハム
翻訳・訳詞:高橋亜子
出演
坂本昌行 / 増田貴久 / 柚希礼音 / 夢咲ねね / 保坂知寿 ほか
「ホリデイ・イン」メインビジュアル
112
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