2024年10月11日 18時49分
レポート
2024年10月11日 18時49分
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小説家デビューを果たしたTHE RAMPAGE・岩谷翔吾さん。お気に入りの表紙をアピール
THE RAMPAGEの岩谷翔吾さんが、小説家デビュー作「選択」の発売に伴い、10月11日、都内で発売イベントを開催。イベント直前には取材会も行われ、岩谷さんが初の小説にかけた思いを真摯に語りました。
4年間かけ、孤独の中で書き続けてきたという岩谷さんは、出来上がった単行本を手に「ようやく形にできたなとシンプルにうれしく思いました。表紙はYKBXさんに描いていただき、こだわり抜いた表紙になったので、めちゃめちゃ気に入ってます」と、感慨深げ。
本作は、幻冬舎とTHE RAMPAGEがタッグを組んで12カ月連続で刊行する大型企画「GL-1 〜THE RAMPAGE BOOKS〜」の第4弾。
すでにメンバーの手にも渡っており、普段本を読まないタイプだという浦川翔平さんからもリアクションがあったそう。「“どんなもんじゃい”と思って最初の1、2ページを読んでみたら止まらなくなった、と。じゃあ10ページまで読んで寝ようと思ったけど、10ページまで読んだらさらに続きが気になって、どんどん読み進めていったと話していました」とのことで、小説家冥利に尽きる感想に岩谷さんは実にうれしそうでした。
父親を殺そうとしていた亮と、自殺を試みようとしていた匡平。幼い頃に同じ児童養護施設で育った2人の青年をメインに、人生におけるさまざまな“選択”について描かれた本作。
岩谷さんは、「今って、断片的に物事を捉えて、真意を知らずに匿名で責め立てるということが多い気がしていて。ある一面から見たら悪い人でも、今まで一つも徳を積んでこなかった人なんでいないはずなのに」と、情報過多ゆえに、SNSに誹謗中傷が広まりやすい世の中を危惧。「今、孤独の中にいる方や、“あの時こうすればよかった”と後悔で苦しんでいる方に、少しでも希望や愛情が伝わる、背中を押せるような作品になればなと思い書き上げました」と、本作へ込めた熱いメッセージを明かしました。
作家との対談連載を担当するなど読書好きで知られる岩谷さんですが、そもそも本が好きになった大きなきっかけは、10年ほどTHE RAMPAGEのメンバー・川村壱馬さんから、小説「ルビンの壺が割れた」(宿野かほる)を借りたことがきっかけだそう。「めちゃくちゃ面白くて一気読みして、そこから読書力が爆発していきました」と。
今回の帯の推薦文を手がけた三浦しをんさんのほか、染井為人さん、凪良ゆうさん、カツセマサヒコさん……。多くの作家と交流を持つ岩谷さんは、皆さんへの愛をリスペクトたっぷりに語り、作家として、偉大な先輩方からさまざまなことを吸収している充実ぶりがうかがえました。
また、タイトルにちなんで「最近、やってよかった選択、悪かった選択」についての質問も。よかった選択は、9月の東京ドーム公演に向けて行った筋トレについて。「体脂肪7%まで絞り、筋量も増やし、でも体重を減らし、計算され尽くした踊れる体を手にしました」と、正しい“選択”によって、体づくりに成功したそう。「やっぱり筋トレも1日にしてマッチョになるわけではなく、継続して毎日積み重ねることによって得られるものなので。“継続は力なり”を体現でき、より説得力が増したなと思いました」と、執筆の間でも肉体改造に手を抜かなかった岩谷さんの見事な精神力が明らかになりました。
一方、悪かった選択として、先輩と一緒にいた時のある出来事を挙げた岩谷さん。それは、EXILE・TETSUYAさんと福井・鯖江でのイベントに出演した、帰りの新幹線の中でのこと。駅弁を食べる際に、先輩であるTETSUYAさんの分もお世話しようと張り切った岩谷さんは、なんと醤油を開けるのに失敗して、自分の白いズボンに思い切りぶちまけてしまったのだとか。「自分でやろうとせずに、先輩に甘えて『これやっちゃいそうな気がするのでお願いします』って言えばよかった……」と、“選択”を間違えてしょんぼりな岩谷さんなのでした。
最後に、今後の展望を尋ねられた岩谷さんは、「1、2週間前ぐらいから、メモ程度ですけど2作目を書き始めています」と、うれしい報告。
「選択」を書き終えて燃え尽きてはいたものの、9月の東京ドーム公演で「書ける!」と新たなひらめきを得られたそう。「結成10周年を迎えて、夢に見ていた東京ドーム公演をフルキャパでさせていただき、そこから見た景色は本当にかけがえのないものでした」と、夢のステージに確かにうれしい思いはあったそうですが……。「10年分のいろんな一筋縄でいかなかった過去がよみがえって、ただ“うれしい”だけではなく、いろんな感情が湧いてきました」と、繊細にさまざまな思いを巡らせた岩谷さん。
「僕らグループは16人いて、青春群像劇みたいな感じだと思うんですけど、美しく儚いものだなとも思いました。1作目が自分の住む世界とは真逆の暗い世界観を描いたので、2作目では自分のフィールドじゃないですけど、自分にしか書けないものを書いてみたい」と、内容についてのヒントも明かします。「こんな大風呂敷広げて大丈夫かな、もう後戻りできない」と照れ笑いしつつも、「この作品ではなくても、作家の岩谷翔吾として、絶対にこれから先も書き続けていきます。何年後になるかわからないですけど、必ず2作目は書きたいです」と力強く宣言しました。
取材・文:高瀬純
1997年3月11日生まれ。大阪府出身。2014年、「EXILE PERFORMER BATTLE AUDITION」を受け、合宿審査で落選するもTHE RAMPAGEの候補メンバーとなる。後に正式にTHE RAMPAGEのパフォーマーとなり、2017年に1stシングル「Lightning」でデビュー。俳優としてドラマや舞台への出演、朗読劇の脚本や演出、読書情報誌「青春と読書」での連載など、多方面で活躍中。日本将棋連盟三段や、実用マナー検定準1級の資格を取得するなど趣味が多いことでも知られる。プロデュース作品に、朗読劇「STARTING POINT」('22年)、朗読劇「さくら舞う頃、君を想う」('23年)。2024年3枚目シングル「Endless Happy-Ending」が10月30日発売。
2024年10月10日(木)発売
幻冬舎刊
「もう、うんざりだ。殺す。絶対殺してやる」。包丁を忍ばせ、家を飛び出し、亮は走っていた。母に酷い仕打ちをした、父親を探しあて殺害しに行くために。息も絶え絶えに走っていた。そしてこれまでの世の中の不条理を憎んだ。しかしその途中、亮は歩道橋から身投げしようとしていた中学生を助ける。それは幼なじみの匡平だった。やがて、どんよりした巨大な社会に飲み込まれていく二人の少年。十数年後、行き場を失った亮は、ずるずると特殊詐欺実行犯グループに身を置くことになる――。この国を覆う、息もできなくなるほどの暗い圧迫感を描ききった、新たな物語。日々を懸命に生き抜いてきた二人が直面した非情な現実、そしてその先に見えたものとは。俳優の横浜流星が原案を手がけた、THE RAMPAGE・岩谷翔吾の小説デビュー作。
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