素直で愛嬌あるダークヒーローを演じた間宮祥太朗が“主役”へ思うこと

主役かどうかより、役のポジションによって考えることが変わる

――タモツにとって九条は師匠で、道具屋をするための教えをいろいろ受けていました。間宮さんにはそういう師匠的な存在や、ロールモデルはいますか？

僕が20歳くらいの頃まで、事務所で若手の演技レッスンをしてくださっていた講師の方は、役者としての師匠です。

――今も心に留めている教えがあったり？

格言的なことを言われたわけではなくて、あるシーンの台本を渡されて演じてみる中で、こういう表現はどうなのかと研究する過程を踏んでいました。それが今も自分の芝居のベースになっていますけど、ニュアンスの細かいことなので、言葉にはしにくいものですね。

――間宮さんは長いキャリアがありつつ、ここ数年、20代後半から、今作のような主演が増えてきました。

気がついたら、そうなっていた感じです。いろいろな要因が結果的にはあったと思いますが、狙って主役をやるものではなくて。自分は仕事を始めたのが早かったので、20歳くらいの頃は周りのみんながパーッと跳ねて、売れていくのも見ていました。

――逸材揃いの世代ですが、そういうのを見て悔しいとかうらやましいと思ったりも？

どうですかね。あまり悔しさはなかったです。

――演技で大事にすることや準備の仕方など、変わってきたことはありますか？

作品にもよりますが、たとえばワンシーンやゲストでの出方と、主人公として全話通して見せていくのでは、演じ方が多少違ってきたりもします。主役かどうかというよりも、自分がやる役のポジションによって、考えることが変わっていくところはありました。

こだわりの包丁でよく作る料理は……

――最後に、当サイトは推し活の応援をコンセプトにしています。間宮さんは推している人、作品、キャラクターなどはありますか？

野球が好きで、阪神タイガースですね。小さい頃からファンで、今年も球場に何度も見に行きました。選手の応援歌を歌いながら応援しています。

――勝ったら大騒ぎするんですか？

それはひと口には言えません。毎日見てますから、勝ったからいいわけでもなくて、勝ち方、負け方にもよります。今日は負けたけど明日につながるなとか、そういうことも含めて一喜一憂しています（笑）。

――道具屋にちなんで、何かの道具に愛着があるとか、常に持ち歩いているようなものはありますか？

道具にはわりとこだわるほうだと思います。包丁はかっぱ橋の道具街で5～6年前に買ったものがあって、名前も彫ってもらいました。食器や家具もいろいろこだわって、好きなものを買っています。

――こだわりの包丁で料理もしているんですか？

麻婆豆腐とかをよく作ります。そんなにいい包丁でも、豆腐には切れ味はもはや関係なくて、申し訳ないです（笑）。

取材・文：斉藤貴志
撮影：河野英喜
ヘアメイク：三宅茜
スタイリスト：津野真吾（impiger）
衣装協力：LES SIX(MATT.) / Christian Louboutin