杢代和人が「3C不倫」で表現する繊細な伊織像、言葉ににじむ責任とプライド

僕はイジられながらツッコむのが好きという珍しいタイプ（笑）

――中学時代のシーンでは、伊織は蒼に「将来結婚したいと思う？」と聞かれていました。杢代さんには理想の結婚像はありますか？

僕は食べることが好きなので、おいしいごはんを食べられる家庭なら大満足です。作ってほしいということでなく、僕は父が料理人で、自分でも小さい頃から料理をしていたので、一緒においしいものを作れたらいいですよね。

――伊織の橘家とはだいぶ違いますね。

僕の家庭はすごく自由でした。自由がルールというか、何かをやらされることはなくて。ごはんのときとか、ずっと携帯をいじったりするのは怒られましたけど、進む道はなんでもいい。選んだ道を進むうえでの過程だけはちゃんと決めなさい、という家庭だったんです。それはすごくよかったです。

――以前「最高の生徒 〜余命1年のラストダンス〜」の会見では、杢代さんから「僕はイジられキャラ」との発言がありました。レベチイケメンでカッコいい杢代さんがどんなことでイジられているんだろう、と思ったのですが。

イジられることしかないです（笑）。それは全然イヤではなくて。イジられたほうが会話も弾むし、僕はイジられながらツッコむのが好きという珍しいタイプなんです（笑）。一番優先するのは笑顔。僕をイジって笑ってくれるなら幸せです。そんな積み重ねで、現場の空気が少しでもよくなったらいいですね。

――「3C不倫」の現場でもイジられていたんですか？

そうですね。3回目の共演の莉子さんを筆頭に、ゆうたろうくん、秋田汐梨さん、田中美久さんと、みんなにイジられていました。

――何かやらかしてイジられたり？

やらかしてはいないです。会話をしていると、自分では気に留めていないところで、おかしいことを言ってしまってるみたいです。改めて考えると、なんでイジられているのかわからないですね（笑）。言われると気になってきたので、あとでみんなに「いつも何をイジってるの？」と聞いてみます。

――マネージャーさんに「オーディションどうだった？」と聞かれて、「笑いは取ってきました」と答えたという逸話も聞きました（笑）。

最近は言わなくなりましたけど、審査する皆さんも何十人、何百人の俳優を見て、疲れてらっしゃるじゃないですか。少しでも笑顔になってもらえたらうれしいので、最初の自己紹介からロングトークを繰り広げています。1人の方でもクスッとしてくれたらいいなあと。

――それで勝ち取った役も？

そうなっていたら、もっとうまくいっていたかもしれません（笑）。逆に、笑わせようとしなければよかったと反省もありつつ、成功することもありつつ……という感じでやらせてもらっています。

代わりが利かない職業に責任を持っています

――「仮面ライダーギーツ」以来、出演作が相次いでいて、今年はドラマ5本に出演。原因は自分にある。の活動もあって、充実していることかと思いますが、忙しすぎて大変だったりはしませんか？

1日頑張れば1日は終わるので。今日1日にフォーカスしていて、混乱したりすることはありません。芸能生活を始めてから、去年より今年と毎年忙しくさせていただいているのは、とても幸せなことです。個人的にも、暇なより動き回っているほうが好きで、来年もより忙しい年にしていきたいですね。

――体がキツいこともなく？

デフォルトでそういう生活なので。覚えないといけないことは多いなと思いますが、大変ではないです。代わりが利かない職業で自分がやらなければ進まない。そこは責任を持ってやっています。

――5月に20歳になってから半年経ちましたが、10代の頃と変わったことはありますか？

あります。自分で書類を書いたり、マイナンバーカードを作ったり、パスポートの更新に行ったり。身の周りをきちんと整理整頓しました。

――そういう事務的な作業も苦にはなりませんか？

ないですね。必要なときにものがないほうがイヤです。

――これから大人になっていくうえで、磨きたいことはありますか？

カッコいい大人になりたくて、そのためには余裕が大切だと思うんです。きっと人生経験がものをいうところですから、いろいろな経験をしたいです。それで色気や男らしさ、引っ張っていくリーダーシップを身に付けられたら。

グループでは俳優業を活かして、曲中の表情管理を徹底

――「推し楽」では推し活を応援していますが、杢代さんが推しているものはありますか？

原因は自分にある。ですね。自分たちのグループですけど、曲を出すごとにいいなーと思って歌っていますし、日本だけにとどまらず世界に広めていきたくて。自分が好きなグループだから続けられているので、自分で推しています。

――ドラマで杢代さんをきっかけに原因は自分にある。を知った人に、グループのよさをアピールするとしたら？

日本のボーイズグループでは珍しい世界観で音楽を発信しています。たとえばボカロPさんに曲を制作していただいたり。あと、7人全員が俳優活動もしていて、メンバーをテレビで見る機会も多いです。今年の7月期だと、3人がドラマに出演していました。

――杢代さんが「降り積もれ孤独な死よ」、大倉空人さんが「素晴らしき哉、先生！」、小泉光咲さんが「ビリオン×スクール」と。

応援していただけたら、いろいろな変化を見られて楽しいと思います。俳優業も活かして、曲中の表情管理を徹底してやっているので、ライブではメンバーのコロコロ変わる表情もぜひ見てください。

――グループの中での杢代さん自身の推しどころというと？

ライブだと色気のある表情が推しポイントです。あとはギャップですね。グループ活動ではバラエティー企画もあって、僕はたくさんしゃべりますし、笑わせるのが大好きですから、コメディーみたいなこともします。そこでギャップに沼っていただきたいです（笑）。

取材・文：斉藤貴志
写真：You Ishii
ヘア＆メイク：GLEAM
スタイリング：南まりい