2024年12月01日 00時00分
インタビュー
2024年12月01日 00時00分
インタビュー
海外ドラマ「コンコルディア/Concordia」出演中の中島健人さん
――グローバルで活躍されている俳優の方も身近にいらっしゃると思うのですが、アドバイスを求めたりはしましたか?
そうですね……「THE HEAD」(2020年に配信開始された、Huluオリジナル海外ドラマ)に出演していた山下くん(山下智久)には、「今、ローマです」っていう写真を送りました。そうしたら「俺、今ミラノ」って返ってきたんですけど(笑)。「THE HEAD」のシーズン2に出ていた福士蒼汰も知り合いで、でも「コンコルディア」の話はしなかったですね。
誰かのアドバイスを乞うのは嫌だったんです。まっさらな状態で、自分自身のオリジナルな現場での生き方をしたかったから。何も知らない状態で入ってみたらどうなるのか、ワクワクするじゃないですか。だから準備だけはひたすら、300%くらいしてローマ入りしましたけど、それでも怖かったですね。最初の1週間は、期待と不安が半分ずつ入り交じった感覚で過ごしました。
――撮影中、特に大変だったことは何でしたか。
当日のせりふ変更には、かなりしびれましたね(苦笑)。台本にあるせりふはめちゃくちゃ練習しているから完璧なんですが、当日になって監督から「やっぱりこのせりふがしっくりこない」とか、「ちょっとニュアンス変えて」「ちょっとアドリブ入れてみて」というリクエストがたくさんありました。日本語でも難しいのに、ましてや英語ですから……なんとか、気合で乗り切りました。
――母国語ではない言語でのお芝居は、難しいという言葉では表しきれないと想像します。
でも本当に、それを経験できたことがすごくうれしいし、今後もこういうチャレンジをたくさん続けていくんだろうなと思います。僕はやっぱり刺激を受けることが大好きで、現状維持ではなく、常に変化していくことを意識して生きているなといつも思うんです。
その中でも、今回「コンコルディア」に出演させていただいたことは、特大の“刺激”でしたね。撮影したのはもう2年前になるんですけど、せりふをいまだに言えるんですよ。それくらい自分にとってこの作品は、名刺代わりになる作品というか、熱のこもった作品というか。そんな気持ちで、当時現場では必死になっていました。
――あらためて、「コンコルディア」の撮影を経て考えたこと、感じたことを教えてください。
すごく厳しい現場でしたが、同時にすごく楽しかったです。本当に、「演じることが好きだな」と思いました。先日、韓国の俳優のパク・ソジュンさんと飲みに行かせていただく機会があって、いろいろお話ししたのですが、その中で「役を演じているときには、その役としてその時間を生きることが一番大切」という話が印象に残っていて。僕は今回「コンコルディア」の現場に臨むにあたり、A.J.オオバという人物としてのマインドセットがしっかりできていたので、楽しめたんだと思います。
――演じることの、どんなところが好きですか。
これは日本の映画やドラマ作品でも、音楽活動でも全てそうなのですが、人の心を動かせるということが僕にとって一番のやりがいです。「この曲聞きました」とか、「あのドラマの、あの役が最高でした」とか、そういう言葉が、僕の心の一番の栄養素であり、生きがいなんです。「コンコルディア」もそういう作品にしたいので、この冬、この年末に向けて、多くの方に作品の魅力をお伝えしていく機会を作れたらなと思っています。
――今作を経て、今後の中島さんのチャレンジにもますます期待が高まります。
今回いただいた海外作品に出演するチャンス、英語で演技をするチャンスというのは、普通に考えたら“ありえない”ことですよね。でも、そのありえないことが実際に起こったわけですから、これからもっとすごいことも起こるかもしれません。
先日、タイに行く機会があったのですが、日本で2021年に放送した「彼女はキレイだった」というドラマについて「大好きでした」という声を現地でいただいて、すごくうれしかったんですよ。今はそんなふうに、日本の作品を世界に届けていくこともできますし、また別のインターナショナルな作品で演じる機会をいただくことももしかしてできるかもしれない。そんな自分の未来を想像して、わくわくしています。
――最後に、配信を楽しみにしていたファンの方々に、メッセージをお願いします。
いや、もう、僕が誰よりも配信開始を待ってました(笑)。2022年、2023年の東京ドーム公演ですでに、僕、宣伝してるんですよ。「『コンコルディア』見てください! いつ配信になるかわからないけど、お楽しみに」って。作品の名前が入った名刺も持っているので、「アカデミー賞」授賞式とかいろいろな海外の現場でも、「よろしくお願いします!」と伝えてきました。
そしてようやく、日本で配信が開始しました! だから、ファンの皆さんの熱量が、このときをずーっと待っていた僕と同じくらいに高まってくれてたらうれしいし、この作品には本当に、僕の時間、感情、情熱をたっぷり注ぎ込んでいるので、それも伝わったらいいなと思います。「コンコルディア」の面白さが世界に解き放たれていくこのプロセスを、皆さんと一緒に楽しんでいければうれしいです。
取材・文:原里実
撮影:鈴木渉
Huluで独占配信中
毎週金曜日に新エピソード公開(全6話)
物語の舞台は、カメラとAIに生活のすべてを網羅されたコミュニティー“コンコルディア”。自由で公正で人間らしい社会を保証するために作られたコンコルディアは繁栄し、他の町への拡張計画を間近に控えているが、ある事件を発端に、コンコルディアの「理念」そのものが揺るがされることに……。カメラとAIに囲まれたこの町で、人々は守られているのか、それとも監視されているのか? 現代社会に問いかけるAIサスペンス。
出演
ルース・ブラッドリー / ナンナ・ブロンデル / クリスティアーネ・パウル / シュテヴェン・ゾヴァー / 中島健人 / ヨナス・ネイ / ジョセフィン・ジュベール / アハド・カメル / ヒューゴ・ベッカー / セット・スジョストランド / メイヴ・メテルカ / モハメド・アシュール
アイドルグループSexy Zoneのメンバーとして、2011年にデビュー。音楽活動の傍ら、俳優としても数々のテレビドラマ、映画などに出演。「中島健人の今、映画について知りたいコト。」「中島健人 映画の旅人」(共にWOWOW)など映画番組のMCを務めるほか、「アカデミー賞」授賞式の生中継番組にもゲスト出演し、監督や俳優への現地からのインタビューなどを届けてきた。2024年にSexy Zoneを卒業、ソロとして音楽活動や俳優活動を継続。
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