「ふっと肩の力を抜けるような存在でありたい」純烈が主演ドラマで伝える“純烈化”

舞台「新春 純烈公演」から始まり、全国ツアー、初の日本武道館公演、そして、大みそかには「NHK紅白歌合戦」に7年連続の出場を果たすなど、2024年も全力で駆け抜けた純烈。2025年も、3月4日からドラマチューズ！「今夜は...純烈」がスタートするなど、快進撃が止まりません。メンバーの皆さんにドラマ出演の話を聞いたときの感想や、撮影の思い出、それぞれの“推し”について語っていただきました！

まさかのドラマ出演にドッキリを疑う

――初めてドラマの話を聞いたときや、台本を初めて読んだときの感想は？

酒井一圭　最初はドッキリやと思いました。そして、台本を読んで「純烈、スケジュールないんやな」と（笑）。（スケジュール調整のために）うまいことやってくれていて、頭が下がる思いでした。

岩永洋昭　ドラマって聞いていたので、いざ台本に目を通してみたら、コントみたいな不思議な面白い作品だったので「仕上がりはどうなるんだろう？」っていう感じでした。現場に行ってみたら、僕らは僕らのシーンがメインであまりほかの演者さんと絡むことが多くなかったので、出来上がりがすごく楽しみです。

後上翔太　純烈がメインのドラマって聞いたのに、スケジュールが数日しか押さえられていなくてびっくりしました。そして台本を読んで、各話に出演されている役者さんが知っている方ばかりだったので、純烈メインで大丈夫なのかなという心配がすごく湧いてきました。

白川裕二郎　企画を聞いたときは「セリフを覚えられるかな？」ってちょっと心配していたんですけど、台本を読んだら純烈役だったので、役作りもなく、セリフもそんなになく、歌唱シーンも自分たちの曲ということだったので、ちょっとホッとしました。
――さまざまな境遇の中でしがらみや心の葛藤と戦いながら生きる各話の主人公が、純烈の生き様や歌によって背中を押され、心の迷いや葛藤を捨て、よくも悪くも前へ突き進む勇気を持つ「純烈化」してしまうという、異色のドラマですよね。

酒井　狂ってますよね（笑）。純烈をドラマに起用する、しかも主演とうたう……。タイトルは「今夜は...純烈」。「いやぁ、大丈夫か？」と。（放送の時間帯は）おばちゃんたち寝てるしね（笑）。「何考えてんねん！」って思うんですけど、そういうときって必ずうれしいときで、ゴールデン（帯の番組）に出るときもそうですし、「紅白（歌合戦）」とかもそうなんですけど、「よう選んでくれたな。狂ってるやろ！」って。全国を回っている我々を起用するなんて、よっぽど思い切っていないとできないと思うんですよ。スケジュールがない中、これだけのクリエイターたちが集まってくれて。撮影の合間に、プロデューサーにも「狂ってるやろ」って話をしたら、「酒井さんこそ狂ってるなと思って、ちょっと1回仕事したいなって」とおっしゃられて、やっぱり狂ってるなと（笑）。

白川　スタッフさんたちも狂っていましたね。スケジュールがかなりタイトで、2週間弱くらいの撮影期間、がっつり働いていらっしゃって、その作品づくりに懸ける情熱みたいなものの強さに感心しました。

後上　お風呂で上半身裸になって撮るシーンがあったんですけど、大体夜中に撮っていて、深夜1時とかにおじさんが裸になってキャッキャやって、それを撮りながらスタッフさんも「おもしれぇ」とか言って、もう全員が狂ってました（笑）。いい思い出ですね。

岩永　僕は役者から純烈になったので、スタッフさんたちの作品づくりについのめり込んでしまうところに懐かしさを感じつつ、作品に携わる人ってやはりどこか普通じゃないというか、疲労より情熱が勝ってしまう人が多いなって思いました。

目指しているのは“異物感”

――ドラマでは、本人役でありながら純烈はどこか不思議な存在として描かれていますが、それについてはどう感じましたか？

酒井　そういう描かれ方だったので、お芝居としてはあえて普段どおりの純烈のほうが面白くなるだろうということで、特に演じることもなくできるだけ普段っぽさを出すことを意識しました。 “不思議な存在”という意味では、時々地方に行くと「純烈って本当にいたんだ」って言われたり、おばあちゃんとかに手を合わせられたりすることもあるので、すでに“ゆるキャラ”感はあるんじゃないかなと。

岩永　“ゆるキャラ”というよりは「こびとづかん」みたいな感じかな。“ちょっと不細工で、よくわからないけど何かかわいげがある”みたいな。普段から皆さんにそういうふうに見られているんだろうなって思いました。

後上　台本に書かれていることが、普段やっていることなんですよ。だから、純烈って普段から浮世離れしているというか……。世間の皆さまから「今年も暮らしが厳しい」なんて声が上がっている中で、おじさんたちがずっとヘラヘラしているんだから、「多分、こういう存在に見られているんだろうな」って改めて認識しました。

白川　そうなると、はたから見たら僕たちこそ狂っているのかもしれない！

酒井　でも、そういう“異物感”というのは目指しているところでもあって。「なんでこいつらこんなバカみたいな服着てるんだろう？」と思われるためにやっているというか、とにかく社会の逆を行くというか。そうすることで、「元気出せよ！」っておばちゃんたちの背中を押してます（笑）。

――ドラマの中で共感するところはありましたか？

酒井　共感というか、（ドラマのメッセージが）純烈そのもので、「見抜いてはるなぁ」と。世の中の人って、真面目に頑張っているじゃないですか。高校出たら大学に行って、大学を出たら就職して、上司にムカついても我慢して……。でも僕らは真面目に頑張っている人と逆のところにいて。ただ、真逆にいる純烈だからこそ、全ての既成概念に対して「勝手に決めているだけで、もっと楽な方法はいくらでもあるんじゃない？」というメッセージになるというか。緊張の糸を張っている世の中において、僕らを見ることで、ちょっとでも緊張がほぐれるような、ふっと肩の力を抜けるような存在であればいいなと。そういったところが詰まった作品になっていると思います。トータル的に「風呂入れや！」ってことなんですけどね。