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中川大輔、痛快な江戸っ子を生きる舞台「きたやじ」は「なりふり構わず全力で」

2025年02月22日 12時00分

インタビュー

「風の喜多八」としてスピード感ある殺陣に挑む中川大輔さん

「風の喜多八」としてスピード感ある殺陣に挑む中川大輔さん

現代人が江戸時代の人を演じる難しさ

――殺陣に関しては、剣術は前からやっていたんでしたっけ?

個人的にレッスンに通っていました。今回の舞台のための殺陣の稽古も半年前くらいから入れてもらって。この前、高校時代の友達と会ったとき、「お前はいつも木の枝か何かで見えない敵と戦っていたよな」と言われました(笑)。

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――小学生の頃でなく、高校で(笑)?

高校でも大学でもやっていました(笑)。だから、「こういう舞台に出られてよかったね」と言われて、確かにチャンバラは昔から好きだったと気づきました。大学は美大に通っていたので、キャンパスに制作で使ってゴミになった剣とかが落ちていると、拾って友達とチャンバラを始めたり。それは別に殺陣に役立ってはいませんけど(笑)、根っから好きだったので、仕事としてでできることはうれしいです。

――殺陣も呑み込みは早いのでは?

周りの牧島さんや和田(雅成)さんがすごく殺陣がうまいので、皆さんと呼吸が合わせられるように頑張っているところです。

――宮本武蔵ばりの二刀流もあるそうで、ハードルが高くないですか?

周りの方には「難しそう」と言われていますけど、二刀流も半年前から稽古させていただいていたので、なんとなく体になじんできたように感じます。でも、本番までにまだまだ修行を積まなければと。

――殴る、蹴るのアクションもあるんですよね?

ほとんどの形の殺陣があって、僕は殴る、蹴るが一番難しく感じます。剣は距離がある分、やりやすさを感じますけど、殴る、蹴るはギリギリの近い距離感で繊細なやり取りになるので。日々の稽古の休憩中に、和田さんに手合わせをお願いしています。

――殺陣の稽古をしていて、体のどこかが痛くなったりも?

殺陣のみの稽古の翌日は筋肉痛がすごいです。ウォーリーさんによく言われるのが、江戸時代の人は重心の位置がまったく違うと。僕はとりわけ現代人の歩き方をしているみたいで、もっと重心を下げてドスドス歩くのが江戸の人のイメージなのだそうです。殺陣でもできるだけ腰を落としていて、太ももの裏側がすごく痛くなります。

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――モデルの立ち方とは全然違うような?

立つだけでも使う筋肉が違いますから、モデルをしているときとの切り替えを大事にしています。昔、モデルの先輩の宮沢氷魚さんの舞台を見に行ったとき、王様の役で、やっぱり重心を下にされていたんですね。聞いたら、足首に重りを付けて歩かれていたそうです。そうすると自然に重心が下がるみたいで、僕も激しく動かないシーンでは、足に重りを付けて歩くようにしました。

――そこまでのことをされているんですね。

現代人が江戸時代の人を演じるには、体の使い方から変えないといけなくて。現代劇にはない難しさがありました。

どんなに運動量が多くても一瞬も気を抜かず、走り抜けたい

――さらに「風の喜多八」との呼び名がある役で、素早い動きも必要ですか?

殺陣でも本当に速いシーンが多いです。スライディングやカウンターでの切り返しのスピード感。殺陣師の方が作り上げてくださった「風の喜多八」が、稽古の最初の頃と比べたら体になじんできました。もっともっとスピードを上げて動けるようにしたいです。

――歌や踊りの経験はあったんですか?

縁がなく過ごしてきて初挑戦です。喜多八役では全力で歌うことが大事だと思っていて。この座組みの中で、僕は舞台経験が一番少ないので、なりふり構わず全力でやることが役にとっても、自分にとっても、お客さんにとってもベストかなと。

――音楽劇ということで、ミュージカルのような歌い方とも違うんですよね。

歌い上げるというより、テンションが上がって歌ってしまった感じです。だから、音楽監督さんも「とにかく盛り上げてほしい」と。音程がズレていても、みんなとのニュアンスが違っていてもいい。大声で叫ぶように歌うシーンが多くて、ミュージカルとはまったく違います。僕の体感としてはお祭り。ソーラン節や沖縄のエイサーのようなイメージです。

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――歌のレッスンもされているんですか?

歌も半年前くらいから練習させていただいています。課題曲をもらって、それをうまく歌えるようにする形のレッスンだったので、1人でカラオケに行って、ひたすらその曲を歌っていました。もともと音楽は何もわからなかったのですが、半年やると「音程とはこういう概念なんだ」とかちょっとだけ理解できて、歌うことが楽しくなりました。

――ちなみに、友達とカラオケに行って歌うのはどんな曲ですか?

盛り上がる曲が好きなので、SUPER EIGHTさんの「ズッコケ男道」やNEWSさんの「チャンカパーナ」をよく歌っています。

――公開稽古では「1公演でフルマラソンぐらいカロリー使いそう」とのお話もありました。稽古も終えるとグッタリする感じですか?

殺陣が連続であるときとか、本当にマラソン選手が使う酸素吸入器が欲しいくらい、息が切れることがあります。(取材日時点で)まだシーンごとの稽古しかできていないので、すべてを通したらどうなるのか、今は怖いです(笑)。自分の中では全力でやることが一つの目標なので、どんなに運動量が多くても一瞬も気を抜かず、走り抜けられたら。お客さんに伝わるものも絶対あると思っています。

――日ごろから体力作りはしていたんですか?

去年の夏にドラマ「伝説の頭 翔」で筋骨隆々のヤンキー役をやったときは、筋トレに励んでいました。一時期は走ることにハマって、1人でフルマラソンの距離を走ったりもしました。

今の推しはくりぃむしちゅー

――喜多八に「ここじゃねえどこかに行きたい」というセリフがあります。中川さんはそんなふうに思うことはありますか?

場所というより、たとえば俳優としてもっともっと上に行きたいとか、そういう意味ですごく共感できます。たぶん喜多八もそんな思いを込めて言っているので。

――あと、喜多八は「黒くてカサカサしたやつ」などを苦手と言っています。中川さんにそういうものはありますか?

僕はヘビがすごく苦手だったり、集合体恐怖症みたいなところがあったり、狭いところに閉じ込められると怖いと思ったりします。喜多八の苦手なものをそういう感情に置き換えると、リアルになりますね。

――ヘビが出るとどうなってしまうんですか?

目の前でヘビを見たことはないんです。高校時代に沖縄にいて、両親は農作業中にハブを見たそうですけど、僕は3年間で一度も出くわしませんでした。でも、SNSで動画を流し見していて、いきなりヘビの動画が出てくるとウワッとなって、すぐ飛ばします(笑)。

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――最後に、「推し楽」恒例の質問になりますが、中川さんが今推しているものはなんですか?

今だと、くりぃむしちゅーさんがすごく好きです。「オールナイトニッポン」のサブスクサービスで、2005年から2008年までの放送分が聴けて、1回目から追っているところです。

――なぜ今聴こうと思ったんですか?

くりぃむしちゅーさんの「オールナイトニッポン」は伝説的なラジオ番組だったとネットで見て、1回目を聴いたらすごく面白かったんです。あのお二人は高校生のときに出会って、何十年も一緒に仕事をしてきて、ラジオでもとても仲良く話されていて。楽屋でもずっとしゃべっているそうです。そんな関係って、いいなと思います。個人的に同級生でやっているコンビが好きなんです。オードリーさんやダイアンさんも、目を見て楽しそうに笑い合う瞬間があって。そういう本当に仲の良い2人が作り出す空気感を、「きたやじ」でも出せたらいいなと思っています。

取材・文:斉藤貴志
撮影:山本絢子

きたやじ オン・ザ・ロード~いざ、出立!!篇~

2025年3月1日(土)~16日(日)
会場 東京都 日本青年館ホール
※3月4日(火)、3月10日(月)は休演

 

2025年3月21日(金)~23日(日)
会場 大阪府 SkyシアターMBS

 

江戸時代後期から読み継がれ、「弥次さん」「喜多さん」でおなじみの「東海道中膝栗毛」をベースに、昭和の世話物作品をオマージュした音楽劇。主演・喜多八を中川大輔、バディ役・弥次郎兵衞を牧島輝が務める。ヴィレッヂのプロデューサーが立ち上げた“浅まる企画”の第1弾作品。

 

スタッフ
作:シライケイタ
潤色・演出:ウォーリー木下

 

出演
中川大輔 / 牧島輝 / 浅川梨奈 / 尾上寛之 / 和田雅成 / 秋山菜津子 / 山本亨ほか

きたやじ オン・ザ・ロード〜いざ、出立!!篇〜 | 浅まる企画
きたやじ オン・ザ・ロード~いざ、出立!!篇~

中川大輔(Daisuke Nakagawa)

1998年1月5日生まれ、東京都出身。2016年に「MEN’S NON-NO」のモデルオーディションでグランプリ。2019年にドラマ「俺のスカート、どこ行った?」で初レギュラー。主な出演作はドラマ「仮面ライダーゼロワン」('19年)、「花嫁未満エスケープ」('22年ほか)、「モアザンワーズ/More Than Words」('22年)、「パティスリーMON」('24年)、舞台「鴨川ホルモー、ワンスモア」('24年)など。映画「大きな玉ねぎの下で」が公開中。ドラマ「フォレスト」(ABCテレビ・テレビ朝日系)、「東京サラダボウル」(NHK総合)に出演中。
 

中川大輔オフィシャルサイト |
中川大輔(Daisuke Nakagawa)

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