2025年03月06日 18時00分
インタビュー
2025年03月06日 18時00分
インタビュー
取材中、息のあった掛け合いを見せてくれた坂本昌行さん(右)、増田貴久さん(左)。
──この作品では名曲がたくさん出てきますが、そのあたりはいかがですか?
坂本 この作品のすごいところは、知っている楽曲だけでなく、初めて聴く楽曲までもが心を躍らせるところ。音楽監督や音楽チームの方とも「よくこんなメロディーが出てきたよね」なんて話をしました。聴いたことないはずなのに聴いたことがある気がする……そんなふうにも音楽を楽しめる作品だと思います。
増田 名曲ぞろいとはいっても、きっと僕は知らないだろうと思っていたら、意外にも知っている曲が多かったんです。ミュージカル界特有ではなく、一般的に広く知られた曲がたくさん出てきます。だからミュージカルに慣れていない人でも安心して楽しめると思いますよ。
──楽しみにしている楽曲や課題はありますか?
坂本 やっぱりショーナンバーは見どころです。それこそ世界中の誰もが知る「White Christmas」とか。ただ、誰もが知る曲だからこそのプレッシャーを感じています。また、英語の歌詞を日本語で歌う難しさもあるので、違和感なく届けられるようにしなくてはという思いがあります。
増田 「LET'S SAY IT WITH FIRECRACKERS」ですね。どんなシーンになるんだろうと今からすごくワクワクしています。
──英語の歌を日本語で歌う難しさをどんなところに一番感じますか?
増田 海外作品に以前出演したときに思ったんですが、同じ内容を話しても、英語は日本語よりテンポがいいし、そもそも言葉の尺が短い。セリフを日本語にすると会話のキャッチボールのテンポが悪くなってしまうこともあります。
坂本 日本語って一語で一音っていうのが多いんです。でも英語は違う。その相違が難しさの一つで、日本語に直すと音を間延びさせてしまうことがあります。でも逆に言えば、言葉が伝わるイコール感情を伝えやすいということ。それはひとえに僕たちが日本人で日本語を話しているからという理由なんだけど、やっぱり日本語だからこそ感情をうまく乗せられるし、見ている方々により伝えられるんじゃないかなと思うんですよね。
増田 プロの方が英語を日本語に翻訳すると、思っていたのと違う意味になっていることもあります。英文から読み取れる文脈と意味が複数ある中で、そっちだったか! っていう。あいまいだったイメージが日本語では具体的な表現になったりして、そういう違いは面白いなと思います。
──今回坂本さんは演出・振付のビルさんと「TOP HAT」以来、2回目のタッグとなりますが、印象を聞かせてください。
坂本 繊細で細やかでありながら大変な情熱家でした。今までにない経験を与えてくれた人です。また前回は公演中に体を痛めてしまったのですが、いろいろなケアまで対応してくれました。その恩返しも込めて、今回のビルの「まったく新しい作品を作りたい」という思いを100%具現化できるように臨みたいと思っています。
増田 僕は一度ご挨拶だけさせていただいたんですが、本当に明るくてパワフルな方でした。タップダンス未経験のことを相談したら、僕の過去の出演作を見てくれていて、「ダンスしながら歌えるのは素晴らしいね、君に合わせて変えていくから大丈夫だよ」と背中を押してくださいました。もちろんタップのシーンはあるのですが、不安が払拭されて、この方とならきっといいものをつくれると楽しみになりました。
──プレッシャーは感じますか?
増田 プレッシャーよりもワクワクのほうが大きいですね! 僕自身がこのお話をいただくまでこの作品を知らなかったように、僕が出ることで初めて知る方もいるんじゃないかと思います。楽曲やサントラに興味を持つきっかけにもなったらうれしいです。
坂本 僕はプレッシャーを感じています。有名な分だけ、曲や人物、作品に多くの人がそれぞれの思い出や思い入れがあるわけで、僕たちのステージを見て「あの曲はあの作品だったからよかったんだね」なんて思われたら負けになってしまう。でもそのプレッシャーを自分の力に変えて、挑戦を成功させるのが僕の仕事。日本の作品もいいね、より伝わってくるねと感じてほしい。とにかく僕たちはビルが思い描くビジョンを吸収してやるのみです。
増田 あの、さっき言わなかったんですけど、本当はすごくプレッシャーを感じています! ……坂本くんがプレッシャーを感じているのに、僕は楽しみですなんてそれはちょっとどうなんです? そうだ、「プレッシャーを感じながらも」にしてもらえますか?
坂本 そこまで全部書いてくださいね(笑)。
──最後に公演を楽しみにしている皆さんに一言お願いします。
坂本 古きよき時代のアメリカの作品をこの令和の現代で初演できることに喜びを感じています。何よりこのすてきな音楽を皆さんに届けられることが幸せです。上演の間、夢の時間として楽しんでもらいたい。笑顔になって、幸せになってほしいですね。
増田 この時間が今年一番楽しかったって思えるものをつくりたいです。そしてジュニア時代から坂本くんの背中を見てきた僕が、今回は初共演を迎えるわけで。後輩として、一人の役者として、こんなに育ちましたと成長を見せられるように頑張りたいなと思っています。
取材・文:金紗利
撮影:遥南碧
ヘアメイク:染谷誠(Lit) / 坂本、坂部めぐみ / 増田
スタイリスト:柳田明子 / 坂本、内田あゆみ(creative GUILD) / 増田
衣装協力:remer/inter lease、KIDILL ROOM、ラコタ/Alden、そのほか本人私物、スタイリスト私物
1971年7月24日生まれ。東京都出身。STARTO ENTERTAINMENT所属。1995年、V6のメンバーとしてCDデビュー。現在は20th Centuryとして活動中。深く伸びやかな歌声と幅広い演技力が高く評価され、数多くの舞台やミュージカルに出演。2022年、第30回読売演劇大賞優秀男優賞ほか多くの賞を受賞。
1986年7月4日生まれ。東京都出身。STARTO ENTERTAINMENT所属。2003年、NEWSのメンバーとしてグループ結成、CDデビュー。愛称まっすーの名で親しまれ、唯一無二の存在感でドラマやバラエティー、舞台など幅広く活躍。ファッションセンスを生かしてライブ衣装のデザインなども手がける。
主人公のジムはショー・ビジネスから引退し、コネチカットで農業を営む暮らしを決意。ところが恋人のライラは夢を諦めきれず、ジムと別れて彼の親友でパフォーマーのテッドと共にショーを続けることに。そんなときジムは才能豊かなリンダと出会い、人生が一変していく──。ジム、リンダ、テッド、ライラの4人の愛と夢が交錯する物語の行方はいかに?
本作はビング・クロスビー&フレッド・アステア主演の映画「Holiday Inn」(1942年・邦題「スウィング・ホテル」)をもとに、2014年にコネチカットで舞台化されたミュージカル作品。ハリウッドを代表する映画音楽家アーヴィング・バーリンによる「White Christmas」をはじめ、時代を超えて愛される名曲と華やかなレビューシーンが満載。演出・振付を務めるビル・ディーマーと坂本昌行は2018年上演「TOP HAT」に続いて二度目のタッグとなる。
会場 東京都 東急シアターオーブ
2025年4月1日(火)~16日(水)
※4月7日(月)、4月14日(月)、4月15日(火)は休演日
会場:大阪府 SkyシアターMBS
2025年4月22日(火)~5月1日(木)
※4月28日(月)、4月29日(火)は休演日
スタッフ
音楽:アーヴィング・バーリン
脚本:ゴードン・グリーンバーグ、チャド・ホッジ
演出・振付:ビル・ディーマー
演出補・振付補:アシュリー・グラハム
翻訳・訳詞:高橋亜子
出演
坂本昌行 / 増田貴久 / 柚希礼音 / 夢咲ねね / 保坂知寿 ほか
「ホリデイ・イン」メインビジュアル
1,609
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