2024年10月10日 13時30分
インタビュー
2024年10月10日 13時30分
インタビュー
“我が子”である「選択」について真摯に語ってくれた岩谷翔吾さん
——“選択”にちなんで、ご自身は人生において大切な選択をするときに何を基準に選びますか?
どっちがうまくいくかわかっていれば、生きるのに苦労しないんでしょうね……(笑)。基準は特にないような気がしますけど、後から自分で“あの選択は間違ってなかった”と思えればいいなって。そうやって、自分で自分の背中を押してあげたいから、この作品を書いたのかもしれない。誰のためではなく、自分自身が勇気づけられるため、みたいなところはありましたね。
——ラストシーンからは、そんな岩谷さんの願いが伝わってくるような気がします。
あれも、僕は流星のために書いたつもりでもあるんです。今って、SNSなどで切り取られたものや噂が一人歩きしてしまいがちですけど、本当にそうなのかと。特に僕らの仕事って、断片的に切り取られやすいですからね。亮に関してもそうで、断片的に見ると悪い犯罪者だけど、この本を一から読んでくださった方なら一概にそういう判断はしないと思うんですよ。それってどんな人間でもそうですよね。今まで一つも徳を積んでこなかった人っていないと思うし、選択によって道を間違えた人に対してもちゃんと本質的な部分を見ないといけないんじゃないかなって。過去の選択を後悔することがあったとしても、生きていればやり直せる。自分自身もそう思って生きたいし、自分の背中も、流星の背中も押すつもりで書きました。
——書くことで自分自身が励まされることもあるのですね。執筆することは、楽しいですか?
めっちゃ楽しいです。自分に合っているなと思います。
——自分と向き合うことにもなるから、苦しいことも多いのではないかと想像しますが……。
誰が助けてくれるわけでもないし、すごく孤独ではありますよね。だからこそ、作品への愛があふれます。僕は、書くときに電気を点けないんです。やましょうさん(メンバーの山本彰吾)から誕生日プレゼントでもらった光るスピーカーがあって、その光だけが点いている状態で。明るいといろんなものが見えちゃうのがイヤで、すごく暗い中で自分に没頭して書きたいんですよね。傍から見たらすごく怖い光景でしょうけど(笑)。でも、それぐらい孤独な作業を続けてできたものなので、(本の発売で)やっとそこに光が射すんだなとうれしい思いです。
——執筆活動をされる上では、普段、どういうところからインスピレーションを得ていらっしゃるのですか?
メンバーとコミュニケーションを取ること。やっぱりメンバーって面白いんですよ。武知海青はプロレスデビューして、この間3戦目を終えましたけど、プロレスデビューしたメンバーと作家デビューしたメンバーが同じステージにいるグループってほんと面白いなと思って(笑)。パラメーターでいうと真逆なところを押さえてる2人なんだけど、一緒にダンスをするとなぜか波長が合うし、人間的にもすごく合うっていう。メンバーみんな、仲良いですしね。だから、外に行くより、内にいたほうがめちゃくちゃインスピレーションを受けるんです。みんな個性豊かで、楽屋にいるだけで1冊書けるなっていうぐらい。
——先日はRIKUさんの舞台を観に行かれていましたが、そういうのも刺激になりますよね。
はい。すごくよかったです。RIKUさんはプライベートでも仲良くて、僕のこと、ずっと「Bro(Brother)」って言ってくださるんですよ(笑)。今は舞台で忙しいですけど、落ち着いたらまた2人でご飯に行きたいなと思っています。
——楽天ブックスの購入特典のしおりについて、この写真を選ばれた理由は?
この写真、とても気に入っているんですよ。後ろの本がすごくカラフルで、配色も含めてめちゃくちゃオシャレで。あと、自分盛れてるなって思いました(笑)。我ながらいいなと思ったので、ファンの皆さんにもぜひ手に取っていただきたいです。
——そして、「推し楽」は「推し活するあなたを“推す”メディア」ということで、岩谷さんご自身の推しについてお聞かせください。
やっぱり、横浜流星かな。俳優として本当にプロフェッショナルですし、武道家でもあって筋が通っていますし。今回、ビジネスパートナー的な立場も経験した上で、やっぱりあの妥協しない姿はすごいなと思いました。彼がいなかったらもっと妥協して違う作品になっていたかもしれないし、流星とだから書き上げられたと思います。よく仲良くなったなって、学生時代の自分をほめてあげたいです(笑)。あれも“選択”の一つだと思うので。
——会ってすぐ仲良くなったんですか?
そうですね。クラスは違ったんですけど、廊下とかで会って、話しているうちに仲良くなって……。学生の時なので、僕も流星も勢いがあって(笑)、それでウマが合ったのかもしれないです。
——では最後に、小説を手に取った読者の皆さんに一言お願いします。
「選択」は、小説だけじゃなく、もっとたくさんの人を楽しませる総合エンタテインメントにしていきたいなと思っています。流星だったり、協力してくださる方のパワーがすごいので、小説という枠を超えてワクワクさせられるプロジェクトにしていければ。僕としては、4年かけて作った“子ども”を、いってらっしゃいと送り出すだけ。あとは世間でどう揉まれようが、僕の仕事は終わったなと思っています。ここからは、読者の皆さんやファンの皆さんが作り上げていく物語だと思うので、あとは任せましたという感じです(笑)。より多くの方の手に渡って、かわいがってもらえたらうれしいです。
取材・文:高瀬純
撮影:山本絢子
ヘアメイク:Aki(KIND)
スタイリング:吉田ケイスケ
1997年3月11日生まれ。大阪府出身。2014年、「EXILE PERFORMER BATTLE AUDITION」を受け、合宿審査で落選するもTHE RAMPAGEの候補メンバーとなる。後に正式にTHE RAMPAGEのパフォーマーとなり、2017年に1stシングル「Lightning」でデビュー。俳優としてドラマや舞台への出演、朗読劇の脚本や演出、読書情報誌「青春と読書」での連載など、多方面で活躍中。日本将棋連盟三段や、実用マナー検定準1級の資格を取得するなど趣味が多いことでも知られる。プロデュース作品に、朗読劇「STARTING POINT」('22年)、朗読劇「さくら舞う頃、君を想う」('23年)。2024年3枚目シングル「Endless Happy-Ending」が10月30日発売。
2024年10月10日(木)発売
幻冬舎刊
「もう、うんざりだ。殺す。絶対殺してやる」。包丁を忍ばせ、家を飛び出し、亮は走っていた。母に酷い仕打ちをした、父親を探しあて殺害しに行くために。息も絶え絶えに走っていた。そしてこれまでの世の中の不条理を憎んだ。しかしその途中、亮は歩道橋から身投げしようとしていた中学生を助ける。それは幼なじみの匡平だった。やがて、どんよりした巨大な社会に飲み込まれていく二人の少年。十数年後、行き場を失った亮は、ずるずると特殊詐欺実行犯グループに身を置くことになる――。この国を覆う、息もできなくなるほどの暗い圧迫感を描ききった、新たな物語。日々を懸命に生き抜いてきた二人が直面した非情な現実、そしてその先に見えたものとは。俳優の横浜流星が原案を手がけた、THE RAMPAGE・岩谷翔吾の小説デビュー作。
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