2025年01月30日 19時02分
レポート
2025年01月30日 19時02分
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メンバー愛にあふれた超特急のツアーファイナルを詳細レポート!
結成13周年を迎えた超特急が、2024年12月から走り出したアリーナツアー「BULLET TRAIN ARENA TOUR 2024-2025『Joker』」のファイナル公演を開催しました。ここでは、全国4会場8公演のツアーの締めくくりとなる、1月29日の模様をレポートします!
このツアーでは、初日公演中に足を負傷し、その後は一部演出のみの参加となっていたアロハがファイナル公演である横浜アリーナ2公演で完全復帰。しかし入れ替わるように、タカシが発熱を伴う帯状疱疹のために欠席に。8人での公演となりましたが、メンバーがことあるごとにタカシのぬいを持ったり、タカシの顔が印刷されたタペストリーを掲げたり、それぞれがタカシへの想いを発するという、終始メンバー愛にあふれた温かい公演となりました。
このツアーでは、タイトルにもある“Joker”を探すというテーマが掲げられ、13枚のトランプがキーとして散りばめられたコンセプチュアルな構成に。毎公演ラストに“Who is the Joker”と表示され、毎回異なるメンバーが登場していました。残されたのはユーキと、“14号車”のハルのみ。いったい本当のJokerとは誰なのか――。SNSには考察とともに、最終公演を待ち望む8号車であふれかえりました。
モノクロの世界の中でそれぞれがトランプの数字を確認し、怪しげな笑みを浮かべるオープニング映像から実際のメンバーが映し出され、一気にストーリー仕立ての世界観へと引き込みます。フェンスが重ね合わされた怪しげな街のセットでスタートしたのは未発表曲の「POKER FACE」。メインダンサー7人は圧倒的なダンスパフォーマンスだけでなく、表情でもしっかりと楽曲を表現していきます。
だからこそ、ビジョンに抜かれたときのメンバーそれぞれの表情は狂気に満ちていたり、怪しげに見つめていたり、鋭い視線を向けていたりと、まさに“目は口程に物を言う”パフォーマンス。これから始まる世界へと招きながら「僕らの理想郷へ」と歌い放つこの楽曲で一気に火をつけると、「Re-Booster」がスタートしました。新メンバーが加入する前の「Booster」を新たにアレンジしたこの曲では、1番を“1桁号車”と言われるカイ、リョウガ、タクヤ、ユーキがラップとダンスとともに力強く歌い上げ、2番からはセンターステージに“2桁号車”のシューヤ、マサヒロ、アロハ、ハルが高速フロウで魅了します。
センターステージで全員が合流した「No.1」では、アロハが「OK横浜! 声聞かせてくれ!」と8号車を煽り、さらに盛り上げていきます。それぞれが個性あふれるダンスで魅せた後、シューヤがハイトーンボイスでフェイクを聴かせるなど、それぞれの魅力をいかんなく発揮しました。
MCでは、シューヤが「ここには8人しか立っていないけど、9人の気持ちで届けます!」と話した後、「8号車のみんな、タカシやで! 今日は『THE FINAL』楽しもうね!」と書かれたタカシからの手紙を読み上げると会場から大きな歓声が上がり、タカシのメンバーカラーである白いサイリウムが高く掲げられました。それぞれが個性あふれる自己紹介をしたあと、カイがかわりにタカシの口上でタカシも紹介。しっかりと「タカシも横アリにいますからね」と触れ、大盛り上がり!
その後、アロハが足元にある手紙を拾い上げるとステージは暗転し、最初のテーマ「SCENE1 #Closed circle 閉ざされた世界」がスタート。手紙に書かれた“この街で僕と遊んでいかないか? もう街から出ることは出来ないのだから”という不穏なメッセージから、赤と黒を基調とした衣装のメンバーが登場し「On & On」へ。逆再生のイントロで始まるステージはクールでありながらどこか狂気的で、ビートチェンジがより深く印象を変えていきました。
続く「UNKNOWN...」では、ネオンボックスの中にそれぞれが幽閉されながらも、限られた場所で精一杯にダイナミックにパフォーマンスし、まるで冒頭での“閉ざされた世界”を表現しているかのよう。ステッキを持ったリョウガを先頭に、8人がセンターステージへと光を浴びながら歩いていくと、シックかつ美しさを具現化したかのような「Fantasista」で魅せました。
ビジョンに「SCENE2 #Red Herring 見定めることは他にある」と映し出され、メンバーカラーのカジュアルな衣装に身を包んだメンバーが登場。これまでのクールな雰囲気から一転、「Fantasy Love Train」とともにかわいらしいムードが広がっていきます。そして、くしゃっと笑う表情とともに、楽しさ、うれしさを表現する彼らのパフォーマンスが、8号車の心をさらに溶かしていきました。
「Love Song」では、ユーキとハルがアロハにぎゅっと身を寄せ、マサヒロとタクヤが頭を寄せ、カイとリョウガが笑顔で同じポーズをすると大きな歓声が。カメラに向かってタクヤがハートを描き、投げキスをした際にはさらに会場が大揺れ! シューヤが「ここにいる8号車全員で歌いましょう!」と声をかけると、横アリにきれいな歌声が響き渡りました。ラストはシューヤが「ありがとやで」と締めました。
電車の中からタクヤが降りてきて8号車に手を振る演出から始まった「クリスマス・イブ」では、カイが電話ボックスに入ったり、マサヒロがプレゼントを持って電話をかけながらダンスをしたり、ハルがマフラーを巻いて「好き」とつぶやいたりと、アクティングも見どころに。そして赤と青の光が照らされると一転、「Steak a Kiss⇆Kiss Me Baby」と題し、2曲をマッシュアップした楽曲が披露されました。スリリングな演出でライブならではの楽しみ方を提示し、緊張感漂う楽曲の世界の余韻を残して、彼らはステージを後にしました。
「きみには真実が見えているか?」と映し出されたのち、クローバーの花言葉が「幸運」「約束」「私を想って」でありながら、さらに「復讐」という意味もあると告げられ、深い意味を含ませながら「SCENE3 #mislead 見えている物全てが真実とは限らない」へ。真っ白な衣装に着替えたシューヤ、ユーキ、アロハが登場し、「星屑のダンスフロア」が始まると、カイ、リョウガ、タクヤ、マサヒロ、ハルがトロッコに乗り3階席を回り、8号車と笑顔でコミュニケーションを取ります。
カイの「名前を呼んでください!」という言葉から「Burn!」へと続き、会場のテンションが引き上がると、“バッテン”を作る振り付けでメンバーと8号車がひとつに。さらにユーキが「今日は最終日! 8号車のみんなでひとつになりましょう! タカシに届けるぞ!」と叫ぶと、横アリが大きく揺れ大合唱に包まれました。
タクヤが「こっからさらにエンジンあげてね!」と声をかけ、8号車の掛け声があってこそ完成する「Shake body」では、曲の終盤でカイとアロハが腕立て伏せ対決をすることに。軽々と腕立て伏せをするカイに対し8号車から「キレてる!」と声が上がる一方、アロハはバック転から腕立て伏せをしてメンバーもビックリ! メンバーたちから「完全復活を感じましたね!」とコメントを受ける一幕もありました。
MCでは和やかな仲良しトークが繰り広げられながら、カイが「初乗車の人~!」と声をかけた流れで「連れてこられた人~!」「連れてきた人~!」と言う声にたくさんの手が上がります。その様子にメンバーが「よくやった!」と褒める姿は、口コミやたくさんの8号車の熱意で彼らの人気が広がっていくことを実感する瞬間でした。
「AwA AwA」では、実際に泡が吹き上がる中、やぐらのように二段にせりあがったセンターステージで阿波踊りのような振り付けを披露します。楽しい雰囲気を引き継いだ「ジュブナイラー」では、全員のテンションが最上級のまま全員の変顔もレベルアップ! 彼らが持つコミカルな部分が全面に出たパフォーマンスに魅了されていると、ステージが暗転しまたしても不穏な音が鳴り響きました。ビジョンには「もうわかったかい?」「僕が誰なのか」と意味深な言葉が映し出されていきます。
「SCENE 4 #Challenge your readers Jokerからの挑戦状」は「Spice」でスタート。グレーのスーツに身を包んだメンバーが、がむしゃらに何かを求めるかのようにダンスで発散していくエネルギーはとても力強く、ダイナミックな「Typhoon」で物語をクライマックスへと導いていきます。マサヒロが「まだまだ盛り上がれんだろ!」と煽る「Countdown」で見せた、吹き上がる炎を背にした覇気あふれるパフォーマンスは圧巻でした。
レーザーが会場中に放たれ、サイレンが鳴り響く中、ビジョンには「SCENE5 #Mystery 最後の手がかり」の文字が。メンバーがグレーのフードをかぶり「Beauty Spider」を怪しげにパフォーマンスしていると、赤い光をバックに1人の影だけが現れ、その影の人物がアグレッシブで情熱的なダンスを繰り出しました。ステージにあらためて「Who is the Joker」と映り一人一人が照らし出されたのちは、「JOKER FACE」を身体中からすべての力を振り絞るように歌い踊ります。すると雨が大量にステージに降り注ぎ、メンバーたちはびしょ濡れになってしまいました。
そして「I’m Joker」という声に合わせて光がユーキを照らすと、ユーキは紫のロングコートを羽織り、香水をふりかけ、傘と共にダンスを披露しました。その後、何かに追われるようにステージを駆け回ると、胸元から出したジョーカーのトランプを口にくわえて破り、姿を消しました。
エンドクレジットが流れると、この日の公演の時間が巻き戻され、最後に真っ白い仮面をかぶった人物が映ります。これまでの8公演で“Joker”だったメンバーの映像に続いて、“本当の黒幕”となる仮面をつけたメンバーがステージに登場し、仮面を取って現れたのは……ハルの姿でした。ハルは「The End」という映像と共ににやりと笑い、本編を締めくくりました。
アンコールではリョウガが「お前ら最高に盛り上がる準備はできるのか!」と叫び、メンバーがトロッコとステージに登場。“Joker”の世界から解き放たれた彼らはテンション高く、変顔も全開でライブでは久々の披露の「Rail to Dream」を熱唱しました。
最後のコメントで、シューヤが「最終公演にご乗車いただきありがとうございます!」と叫ぶと、この日1人でボーカルを歌い切ったシューヤに向けて会場中から大きな拍手が。その拍手に感激しながら「正直、(1人で歌うことは)俺ならいけるっしょって思っていて。でも直前に不安に襲われたんですよ。自分の相方がいないってやっぱり大変なんだなって思い知らされました」「俺の中にタカシくんがいるんですよ。耳の中というか、頭の中、目の中……。わからないけど聞こえてくるんです」と胸の内を明かします。「でも俺の隣にはタカシくんがいてほしいし、支えたくて入ってるしさ! オレはこれからもタカシくんを支えて、そして支えられて、守って守られて、そんな最高のバディでこれからも一緒に歌っていこうと思います。タカシくん、これからもよろしくね! 早く帰ってこいよ!」と愛情たっぷりのエールを送りました。
カイは「この寂しさを持ち帰って9人でのライブを楽しみにしていてほしいなと思います」と期待を高め、マサヒロは8号車だけでなくスタッフへの感謝を述べ、タクヤは「ツアーファイナル、楽しかったですか!? 絶対にまた会いましょう!」とシンプルに届けます。ユーキは「俺はタカシがいねぇと踊れねぇ!」と熱く叫び、タカシのメンバーカラーである白のネイルに染めて「タカシくん見てるかな?」と笑ったアロハは「今回のツアーは僕を大人にしてくれたツアーだと思っています」と振り返りました。
ハルはタカシへの想いを熱く語ると共に、8号車に「考察を見るの楽しかったです!」と言うと、他のメンバーも「俺たちの作った物語を超えてるよね」「予想の範疇を超えないでほしかったよね」とざわざわ(笑)。
リョウガは少々おかしな関西弁で感謝を述べ、「タカシやで、見てるかい? おぬしのおかげで関西弁がうまくなりました!」と話し笑いを誘います。さらに「この物語は終わるけど、夜の余韻は続いていきます。またどこかで続きをやろう」とロマンチックに告げたかと思うと「って、ChatGPTから教えてもらいました!」というオチで総ツッコミを受けました。
超特急らしい明るい空気のまま、ラストの「バッタマン」が始まると、全員が余力を残さないと言わんばかりに全力パフォーマンス! 終始響き渡るハルの雄叫びも相まって、会場中が最高潮に盛り上がりを見せたところで、ツアーファイナルの幕が閉じました。
なお超特急は、6月より新たなアリーナツアー「BULLET TRAIN ARENA TOUR 2025 EVE」をスタートさせます。次はどのような内容になるのか、今から楽しみですね!
取材・文:吉田可奈
撮影:米山三郎 / 笹森健一
2025年1月29日(水)神奈川県 横浜アリーナ
01. POKER FACE
02. Re-Booster
03. No.1
04. On & On
05. UNKNOWN...
06. Fantasista
07. Fantasy Love Train
08. Love Song
09. クリスマス・イブ
10. Steak a Kiss ⇄ Kiss Me Baby
11. 星屑のダンスフロア
12. Burn!
13. Shake body
14. AwA AwA
15. ジュブナイラー
16. Spice
17. Typhoon
18. Countdown
19. Beasty Spider
20. JOKER FACE
アンコール
01. Rail to Dream
02. バッタマン
2025年6⽉7⽇(⼟)
会場 東京都 東京体育館
開場 17:00 開演 18:00
2025年6⽉8⽇(⽇)
会場 東京都 東京体育館
開場 15:00 開演 16:00
2025年6⽉21⽇(⼟)
会場 兵庫県 GLION ARENA KOBE
開場 17:00 開演 18:00
2025年6⽉22日(⽇)
会場 兵庫県 GLION ARENA KOBE
開場 15:00 開演 16:00
2025年7⽉12⽇(⼟)
会場 愛知県 Aichi SKY Expo(愛知国際展⽰場)ホールA
開場 17:00 開演 18:00
2025年7⽉13日(⽇)
会場 愛知県 Aichi SKY Expo(愛知国際展⽰場)ホールA
開場 15:00 開演 16:00
2025年8⽉7⽇(⽊)
埼⽟県 さいたまスーパーアリーナ(スタジアムモード)
開場 17:30 開演 18:30
2025年8⽉8⽇(⾦)
埼⽟県 さいたまスーパーアリーナ(スタジアムモード)
開場 17:00 開演 18:00
2011年に結成、2012年にCDデビュー。ダンサーがステージ前方で、ボーカルが後方でパフォーマンスをする、史上初の“メインダンサー&バックボーカル”グループとして注目を集める。オリジナルメンバーから年齢順に号車名を担当しており、2号車・カイ、3号車・リョウガ、4号車・タクヤ、5号車・ユーキ、7号車・タカシ、11号車・シューヤ、12号車・マサヒロ、13号車・アロハ、14号車・ハル。ファンネームは“8号車”。
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