2025年02月07日 16時01分
「オイディプス王」三浦涼介&岡本圭人による舞台稽古公開!
舞台「オイディプス王」公開稽古の様子。左から三浦涼介、岡本圭人
2月21日から上演される舞台「オイディプス王」に出演する三浦涼介、岡本圭人の稽古写真、演出の石丸さち子を加えた会見の模様が到着しました。
「オイディプス王」は、ソポクレスによって紀元前 427 年頃に書かれた、世界最高峰と称されるギリシャ悲劇。2023年7月に東京・パルテノン多摩のリニューアルオープン1周年を記念して上演され、人間の不条理、深い愛情と愛憎を描き、悲劇でありながら感動作として好評を博しました。1年半ぶりの再演となった本舞台は、2月21日から2月24日まで東京・パルテノン多摩 大ホールにて、3月1日には大阪・SkyシアターMBSにて上演されます。
公開稽古後の会見には、前作に引き続きオイディプス王を演じる三浦、クレオン役を演じる岡本、演出の石丸が登場。三浦は「今回はできる限り僕ができることを、なにか皆さんに渡せるようにと心に決めて稽古場に入りました」と意気込みを明かし、初のギリシャ悲劇出演となる岡本は「自分の知らない感情が奥底から出ているように感じています」と作品の魅力を語りました。
演出家:石丸さち子コメント
初演時に、オイディプスの苛烈な運命を描いた悲劇であるものの、最後には希望も見出せる作品にしようと三浦さんと話していました。それが叶ったことは大きな喜びで、再演がすぐに決まったということは、この『オイディプス王』の魅力が伝わったのだと感じます。再演に臨むことは初演とはまた別の難しさがあります。かつての痛みや輝きはそのままに、新たな発見をできるかどうか。初演の焼きなおしにならず、さらなる魅力に辿り着けるかどうか。そこに果敢に立ち向かう三浦さんを筆頭に、岡本さんが演じる新しいクレオンと充実したコロスに更に新メンバーを迎えて、再演の布陣ならではの創作が続いています。初演を評価してくださった皆様に、再びの感動と、また新しい地平を見ていただけるのではと、光明を見出しているところです。2500年前の言葉とはとても思えない、現代においてなお生き続ける戯曲を、三浦さんがどのように体験し演じてくれるのか。新たに何を感じ、どんな絶望と希望が見えるのか、演出家自身が楽しみにしています。今までのギリシャ悲劇のイメージを覆すような、とても鮮烈で繊細な心の揺れが表現された、美しい『オイディプス王』になると確信しています。劇場にお越しいただき、同じ時間と場所を共有するからこその、価値ある時間をお届けします。劇場でお待ちしております。
三浦涼介コメント
約1年半ぶりの再演ですが、思い返すと初演は舞台に立てるのだろうかという不安感のなか過ごしていました。無事に幕が開き、幕が閉じたのですが、その後すぐに再演のお話をいただき、楽しみにしていました。初演の際はキャスト、スタッフの皆さんにたくさん支えられてオイディプス王として立たせていただきました。記憶がないぐらい、ただ、ひたすらに精一杯演じていたので、あらゆることに目が行っていなかったのですが、それを経たからこそ今がすごく幸せで、表現の一つ一つを大切にしていきたいです。
今回は出来る限り僕ができることを、なにか皆さんに渡せるようにと心に決めて稽古場に入りました。オイディプス王を演じるにあたって周りにいる皆さんのことを見ることが大事なことになっていて、充実した稽古に楽しんで臨んでいます。
前回は命懸けます!と話していたのですが、命は大切にします(笑)。お芝居をするにも体と心の健康が一番なので、自分のことも相手のことも大切に、僕の使命を果たせたらと思っています。心を込めて演じますので是非劇場にお越しください。
岡本圭人コメント
僕自身初めてのギリシャ悲劇で、強い憧れがありました。セリフを言うにつれて、自分の知らない感情が奥底から出ているように感じています。オイディプス王が抱える問題や使命はすさまじく、孤独に生きているのですが、自分が演じるクレオンとの関係性をどのように見せられるか少しずつ考えています。
僕は今回初参加ですが、出ていない場面の稽古を見ていると心を揺さぶられるばかりです。コロスの体の底から出てくる動きは涙を誘いますし、こんなに素晴らしいオイディプス王を演じられるのは三浦さんしかいないのではないかと思っていて、僕が演じるクレオンも何か影響を与えられるように稽古をしていきたいと思っています。
自分には課題がありますが、演出の石丸さんと一緒に探して見つけたとき、どのようになるのか、わくわくしています。どうしても難しい印象があると思いますが、2500年間世界で上演されてきた力がこの戯曲にはあります。今を生きる人がオイディプスを見たときにどのように感じるのか楽しみですし、この『オイディプス王』という作品をパルテノン多摩で上演することに意味を感じていて、パルテノンという名の劇場でのギリシャ悲劇を観ることは、なかなかない体験になるかと思います。観ていただけますと嬉しいです。
撮影:田中亜紀
「オイディプス王」
古代ギリシャの都市国家・テーバイを怪物スフィンクスから救ったオイディプス(三浦涼介)は、先王ライオスの妻だったイオカステ(大空ゆうひ)を妃に娶(めと)り、テーバイを治める王となった。しかし、テーバイに疫病が発生。イオカステの弟・クレオン(岡本圭人)をアポロンの神殿に派遣して神託を聞くが、そこから自らの「罪」が明らかになっていく――。
古代ギリシャの三大悲劇詩人の一人ソポクレスが紀元前427年頃に執筆。世界最高峰と称されるギリシャ悲劇で、人生の不条理を魅力的にドラマティックに描いた作品。2023年7月に石丸さち子演出のもとパルテノン多摩リニューアルオープン1周年記念として上演され、約1年半ぶりの新たな再演となる。
会場 東京都 パルテノン多摩 大ホール
2025年2月21日(金)~2月24日(月・祝)
会場 大阪府 SkyシアターMBS
2025年3月1日(土)
スタッフ
作:ソポクレス
翻訳:河合祥一郎
演出:石丸さち子
美術:土岐研一
照明:日下靖順
音響:清水麻理子
振付:平山素子
衣裳:前田文子
ヘアメイク:馮啓孝
演出助手:髙野玲
企画・製作:パルテノン多摩共同事業体
出演
三浦涼介 / 大空ゆうひ / 岡本圭人
浅野雅博 / 外山誠二 / 大石継太 / 今井朋彦 ほか

「オイディプス王」キービジュアル